「もたいまさこの食いしん坊万歳」
トリュフからも、椅子やテーブルを撮影に提供させていただいたので、
すごく観たかったのに、忙しさにかまけて見逃してしまった映画「マザーウォーター」。
マルツにDVDを借りて、ようやく観た感想は、一言で言えばこんな感じです。
とにかくもたいまさこが、ほとんどの出演シーンで、何かしら飲み食いしている。
トリュフの椅子やテーブルも確認できたし、楽しかったとしてもいいのですが、
これだけじゃあんまりなので、もう少し。
登場人物は皆、徒歩で移動する。
乗り物には乗らないし、走りもしない。
歩き方もゆっくりで、そういえばサンダル着用率も高い。
公開時の宣伝で、京都を舞台にと言っていたと思うが、
作中では「ここ」、「この辺」、「この町」としか呼ばれない。
主要な登場人物も京都弁(関西弁)は使わない。
タイトル通り水を身近に感じられる、架空の小さな町を舞台にしている。
この辺の住人(含む俺)なら、見覚えのある水も多い。水源は色々。
そんな川や疎水や地下水脈のように、どこかからこの町に流れてきて、
ひと時混ざり合うような人々の暮らしが淡い濃度で描かれる。
年齢はばらばら、下は1歳半ぐらいから、上は年齢不詳まで。
人物の背景はあまり語られないが、皆何かしら事情があったりなかったりするようだ。
毎日の生活や交わす言葉の端々に、時に現れたりもする。
合流し分流しながらも、それぞれの流れは続いていく。
きっといつか海に帰っていくのだろう。
どうしても抽象的になってあらすじになりません。
ともすればネタバレになりそうなので、断片的な印象だけを。
個人的に好きな役者さんばかり出てくるので、知ってる場所で、彼ら彼女らが動いてるだけで嬉しい。
京都の方はいらっしゃらないとは思いますが、京都の人間より京都っぽいですね。
シリーズの「かもめ食堂」、「めがね」、「プール」でもロケ地の方よりそれっぽかった筈。
「プール」は未見ですが。
京都をロケ地にしたこの映画の味は、左京区出身の私には驚くほどなじみのある物で、
京都的と言うより左京区的、と言ったほうがしっくり来る。
ロケをした場所も店も、左京区が多く、知っている所もちらほら。
想像以上に近所でやってたようです。知らんかった。
もっともお店や神社など左京区以外の場所も出てくるし、
左京区から伏見区まで10km程を、徒歩で移動しているような気もするが気のせい気のせい。
あくまで「この町」の話で、味のベースは左京の出汁という感じ。
作中出てくるお料理は、飯島奈美さんのお料理なんですけどね。
相変わらず、うまそうです。
エンディング近く、もたいまさこが、市川美日子さんと公園で食べる玉子サンドは、「コロナ」がモデルでしょうか。
すごくおいしそうだった。(特典映像にレシピ有)
住宅街の普通の公園で、日常の一部としてこんなお弁当を食べる幸せ。
ちょっと努力すれば誰でも手が届く、そんな幸せの見本。
俺さえ頑張れば、明日にもできます。
その見本を示してくれた、この映画は私にとって思い出の作品になることが、俺会議で決定しました。
今度DVD買います。
映画本編もよかったが、おまけの特典映像も楽しめた。
特に市川美日子さんが京都を散策される、「イチカワの京都散歩」がよかった。
疎水、哲学の道界隈の場所を散策される、京都一人旅のお手本のような経路。
途中トリュフに来てくれてもいいんじゃないか?と思う程近所の場所出すぎ。うらやまし過ぎ。
経路として考えると順番がおかしいところはありますが、編集の都合でしょう。
初日最後に「コロナ」で玉子サンドを食されますが、コロナのじーさん現役だったんだ。
齢90は超えて居られるはずだが(調べたら96歳だそうです。)、動いておられる映像を見られたのは眼福。
今度是非行ってみよう。と言うか早く行かないと。
鑑賞後散歩に出たくて仕方がなくなって、作中に登場した玉岡児童公園に行ってみた。
もたいまさこが藤森神社で水を汲んでたのと同じ、タイガーの「SAHARA」には、
公園のすぐ近所の赤の宮神社でいただいた水が入っております。
豆腐は浄土寺の高松豆腐店の物。
さすがにこの場で一丁食いはしませんでしたが。
地元の水と年寄り(高松さんは80代です)に、感謝するのも、
この映画の余韻を楽しむには似合っていると思うので。
あと出演シーンは少ないですが、以前雑誌の取材でトリュフにいらした、
伽奈さんが重要な役で出演されています。
雑誌の取材時には私も店にいたのですが、お顔も確認できない程の一瞬のご滞在でしたから、
一方的にご縁を感じているだけなのですが、ますますのご活躍を祈念しております。
とまぁ、そんな素敵な映画です。
機会と興味のおありの方は是非ご覧ください。
sabae
もたいまさこさんだけ文中敬称略にて失礼いたします。「もたいまさこさん」って字面がどうにも嫌だったので。