Frany's Yard

Frany's Yardはトリュフのスタッフたちが、アンティークの話、日常の中の嬉しい、可愛い、心地いいことを綴ったミニコラムです。

ゆるやかに(メランコリックにやわらかく)

2006-05-05 00:44:21 | Weblog
ゴールデンウィークと言うことで、ご来店のお客様も多いようで、ここ数日楽しく働いています。やはり店内が賑やかだと、気分も浮き立つようで。
ここ数日天候にも恵まれているので、皆さん休日を楽しんで居られる事と思います。
遠方のお客様に、実際に私どもの商品を見て頂く機会はそう多くないと思いますので、京都旅行のついでに立ち寄って頂いた方々、ありがとうございました。
残念なのは、今年は暖かくなるのが遅かったので、裏庭のバラの開花が遅れていることでしょうか。
ついでのついでにご覧頂きたかったのですが。
まだまだ小さい蕾が多いので、五月半ば以降の開花になりそうです。

とまぁ、↑こんな感じの日記をGW明けに書こうと思っていたのですが、明ける前に書いておきたい事があり、ノーパソを取りました。
sabaeです。今晩は。「GW」と書いて「檄ワーク」と読む日々を過ごしております。いや、楽しいのですが。ホントです。

先日知人から急報が。
「みゅーず」がGW明けに閉店するらしい・・・(8日限りで、だったと思う。)
ご存じ無い方に説明すると、「みゅーず」とは西木屋町四条を北に入った辺りにある、昭和29年開店の京都では老舗と呼ばれる喫茶店の一つです(何度か改装してますけど)。
京都の古キッサを語る時、5~6番目には出てくる店ではないでしょうか。
実際その界隈には、もっと古い店がゴロゴロしている古キッサ激戦区では、中堅どころのイメージもありますが。
それでも50年余りの歴史に終止符が打たれるとは残念。
個人的には京都二大名曲喫茶の一方の雄(もう片方は出町柳の「柳月堂」)と思っています。
学生さんからお年寄り、観光に来られたご婦人方等が違和感無く収まる懐の深さ。
近くにある「フランソア」や「築地」あたりと比べると肩の力が抜けた、とでも言える所が魅力だと思います
周りは京都でも指折りのコマゴマ、ゴミゴミ、ギラギラした区域です。でも一歩店内に入れば一瞬で空気が変わって、時間の流れ方まで違うように感じる店。そして窓の外には高瀬川が。
つくづく惜しいなぁ。個人的にもちょっと思い入れがあったり。

両親が若い頃に、足を運んだ店だと聞かされたのは高校生の時だったか。
当時の僕にとってクラシックは「好きだけど、ちょっと無理して聴く音楽」だったので、デートで名曲喫茶に行く感覚がよく分からなかったのを覚えています。
でもよくよく考えてみると、当時の日本ではクラシックは流行の先端だったのかもしれない。ジャズやラテンはもーちょっと後だろうし、戦時中に敵性音楽の筆頭に挙げられていた反動なんかもあったかも知れない、なんて考えたり。
そんな両親にとって思い入れのある店ってのは、僕にとってやや敷居が高く、というかむしろ「親と同じコースでデートって・・・」な気持ちも有り、知っているけど行かない店でもありました。
それがいつだったか、食事を一緒にした相手に誘われたのは。
初めて行ったときは、1階奥の突き当たりにあるタンノイ(だったと思う)のスピーカーの迫力に驚いた。デカっ。
しかしその外観の迫力とは裏腹に、深くゆったりした音を響かせていました。低く高く、大きくも無く、なにより柔らかく。
あのとき何の話をしたのかは覚えていません。
でもあの時の空気は頭のどこかに覚えていて、「みゅーず」に行くと色々なシーンが記憶から再生されます。そしてその記憶は主に後悔に直結していて、至らなかった自分や気付けなかった自分を、コクと苦味が強めのコーヒー(ブレンド)に思い出させられたこともありました。

てか、そんなことを書いていると体が痒くてたまりません。
閉店する前にと思い、一昨日行ってきたんですが、ぼんやりいろんな事を考えた一部を文章にしてみました。ついキーボードが滑って。
記憶あやふやなんですけどね。
読み返してみて、セルフでツッコミ入れる所満載です。
>あのとき何の話をしたのかは覚えていません。←酔ってたから
みたいな感じで。

2階の窓から写真をとってみました。色彩がきれいで「ここだけパリ」みたいに見えました。←そうか?
そんな錯覚をするような空気の店。あと数日しかありませんが、機会のある方は是非。


sabae





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