兵庫県加東市の青山医院の日記です!

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骨粗しょう症治療薬のビスホスホネートについて

2021年08月08日 | 病気

暑いですね。日中は家の中でオリンピック見たりして過ごし、夕方散歩に出ました。

今日から2日連休になります。

その後はお盆休みで12‐14日までお休みをいただきます。

よろしくお願いします。

 

 

患者さんとお話ししていての疑問点 少し調べたので記載します。

骨粗鬆症に対しても、ビスホスホネート製剤、ビタミンD製剤、女性ホルモン製剤などなど様々な治療薬が使用されています。

その中でビスホスホネート(ボナロンやベネット、今は注射製剤もありますね)製剤のお話です。

 

ビスホスホネート製剤は強い骨吸収抑制の作用があり、骨粗鬆症の治療や予防(ステロイド内服などの時の骨粗しょう症予防でよく使用します)の第一選択薬で、一般的にとても広く使用されているお薬です。

顎骨壊死などの副作用が知られていて歯科治療の際には中止をします。

その他、内服では逆流性食道炎などが有名ではあります。

最近は長期間でのビスホスホネート内服で大腿骨の骨折発生が報告されていて、非定型大腿骨骨折と呼ばれています。

 

開発時の臨床試験では,プラセボ(偽薬)と比較し,椎体骨折で約50%,大腿骨近位部骨折で約55%,非椎体骨折で約30%の骨折抑制効果が示されています。日常的な診療においてどの程度の骨折抑制効果が認められるのかを正確に評価することは困難です。けれど、例えば大腿骨近位部骨折については少なくとも30%程度の抑制効果があると推定され,大腿骨近位部をすでに骨折している患者では,その後ビスホスホネート製剤を始めることで反対側の骨折が70%も減ったと報告されています。

 

しかしながら、骨密度が高くなること=骨折しにくくなる

ではないという意見もあります。

チョークに例えるのが分かりやすかったのですが、

黒板に白い文字を書くチョークは決して柔らかくありません。むしろ硬いのですが、少し力を加えるだけで容易に折れてしまいます。「骨密度が高く骨が硬い」というのは、決して「骨折しにくくなる」ことを意味していないということになります。



 

海外論文ではビスホスホネート製剤の治療期間は1-3年で十分であり、それ以上の長期間にわたりビスホスホネート製剤を投与することはむしろ過剰投与となる可能性があると論じているものもあります。

 

またビスホスホネート製剤の5年間投与後に、その投与を中止しても骨折予防効果は減弱しないという報告もあります。

ビスホスホネートと非定型大腿骨骨折の関連はまだ最終的な結論が出ていないのが現状のようです。

 

ビスホスホネート製剤は数年の内服で骨内へ製剤移行するため、その後数年以上にわたって効果が持続されるということなので、長期内服は不要であるようにも思います。3-5年内服の折に、その時の骨密度や骨折リスクを評価し、一時的な中止をするのかどうか、あるいは他の女性ホルモン製剤やビタミンD製剤に変更するかなどを検討するのが良いと思います。


漫然と投与されることに疑問を感じたり、

逆にリスクがあるのかないのかと考えることも大切ですね。

とても勉強になりました。

まとめ方がちょっと分かりにくかったかなと思います。参考になれば嬉しいです。




良い休日を過ごしてください。





コメント
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