夏は水虫の原因である白癬菌が最も活動的になり、感染が広がりやすい季節です。
日本での疫学調査では日本人の5人に1人が水虫、10人に1人が爪水虫(爪白癬)に感染していると推定されています。
けれど、放置している人も多いのが現状ではないかと思います。
爪水虫は適切な治療を受ければ、治る病気です。
爪水虫はカビの一種である白癬菌が爪に入り込んで起こる感染症です。
多くの場合は足に感染した白癬が爪の先や縁から侵入して爪の下で増殖します。
白癬菌に感染すると爪が白くなったり黄白色に濁って分厚くなります。
さらに進行すると爪がもろくなってポロポロと崩れるなどの症状が出てきます。
爪の水虫は足の指などに感染した場合と違って症状がほとんどないです。かゆかったり、痛かったりすれば治療を積極的にしようと考えると思うのですが、症状がないため放置しがちです。
水虫は男性の病気というイメージもあるかもしれませんが、女性にも多いです。
男女比は 6対4くらいだそうです。男女ともに年齢が上がれば感染率が上がり、高齢者ほど爪水虫が多い傾向があります。
一度白癬菌に感染するとちゃんと治療をしない限り自然には治りません。
高齢者の場合は白癬に伴う爪の変形などで歩行が不安定になり、転倒のリスクが高まる人もいます。
爪水虫は医師処方による内服薬か塗り薬で治療をします。
当院では現在は主に塗り薬での治療を行っています。肝機能などの状態にかかわらず、使用できるためです。
ただ、爪が生え変わるまでの期間なのでかなり長期間の塗布が必要です。
夏だけ塗っても治りきりません。爪がすべて生え変わる最低でも1年は塗布が必要ですが、症状がないために治療中断で振出しに戻ってしまう人も少なくない印象です。
足の爪は手の爪よりも成長が遅く、完全に生え変わるまでには約1-2年かかります。見た目がきれいになっても白癬菌が残っている場合もありますので、根気よく続けてください。
夏場の足のケアですが、再発させないためには爪だけでなく足の水虫も一緒に治療をしましょう。
足だけに水虫がある場合は塗り薬でしっかり水虫を治すことで爪への感染も防げます。
足のケアは爪の周り、指の間を石鹸で優しく丁寧に洗います。皮膚に白癬菌がくっついても24時間以内に足をきれいに洗えば感染は防げます。温泉やジムなどで共用のバスマットなどを使用したり、スリッパをはだしで使用した場合は早めにきれいにしてくださいね。
夏場になり、水虫の薬を再開する人も増えて、気になったので記載してみました。
参考になればうれしいです。