少し前に胃がんのお話を書きました。
その流れで、ピロリのことを書きたいな と思っていたのですが、少しバタバタして間が空いてしまいました。
⇒胃がんの記事:胃がんについて知ろう - 兵庫県加東市の青山医院の日記です!
ピロリ菌 という名前を耳にすることが増えていますね。
一般の方でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
ピロリ菌の「ピロリ」は「幽門」を意味する言葉です。ピロリ菌が胃の下部にある幽門に多く存在したことからこうした名前が付けられました。
ピロリ菌の発見とその後の研究は、胃の医学にとって非常に重要なものとなりました。
胃がんとの関係では、日本で行われたある研究で
1526人の日本人男女を約8年間にわたって追跡調査した結果、ピロリ菌感染者のグループからは36名の胃がん患者が出たのに対して、ピロリ菌に感染していない人たちのグループからは一人も胃がん患者がいないという結果が出ました。
また北海道大学の研究グループからはピロリ菌の除菌をすることで胃がんの発生を抑えられることが報告されました。
胃がんは長い間、生活習慣やストレスにその原因があるとされていました。
しかし、ピロリ菌の研究が進むにつれて、ピロリ菌の感染によって起こった萎縮性胃炎が進行した時に胃がんの多くは発症することが分かってきています。
とはいえ、胃がんの予防に生活習慣やストレス対策の必要がなくなったわけではありません。萎縮性胃炎の発症や進行には生活習慣やストレスが関わってくるからです。健診の際にピロリ感染の有無も調べることができますよ。
一度、胃がんのリスクを確認する意味でも検査を受けてみるとよいと思いますし、感染をしている場合には除菌治療を。
そのうえで生活習慣を整えると安心ですね。参考になれば幸いです。