11‐12月頃から加東市では感染性胃腸炎が大流行しています。
近くの小児科さんでは年末に話をしたときに目が回るほどの忙しさだったと聞きました。
年が明けて、当院では嘔吐下痢のような感染性胃腸炎の患者さんは減少しているように思いますが、それでも、突然の頻回な嘔吐と下痢で来院される方もまだいます。
ノロウイルス感染症が発症すると突然強い吐き気や下痢、腹痛などの症状が起こります。
この時の対処法としては、まずは安静にしてこまめな水分摂取をすることが大切です。
そして薬を服用する際には、下痢止めは使用しないでください。
激しい下痢では下痢を止めてしまいたくなる気持ちはとてもよくわかります。
しかし、下痢止めの薬は腸の働きを弱め、ウイルスが体外へ排出されるのを阻害し、症状を悪化させたり長引かせたりする要因になってしまいます。
ノロウイルス感染症で特に注意しなければならないのは、発症者が3歳未満と65歳以上の場合です。そして、がんを患っていたり、糖尿病や心臓病などの基礎疾患がある場合です。これらに当てはまる方は命に危険が及ぶほど症状が重症化することがあります。
3歳未満の子供や65歳以上の方、悪性腫瘍の診断を受けている方、臓器移植後の方、免疫抑制の薬を使用している方などでは迅速診断キットが健康保険適応になっています。
当院では病原体を突き止めることで大きく治療方針が変わるわけではないので(ウイルス性腸炎に効く薬はなく、基本的には対症療法です)迅速検査は行っていません。しかし、嘔吐下痢などの症状がきつい場合には我慢せずに、かかりつけ医や医療機関を受診するようにしてください。
糖尿病の方はシックデーの対応として、内服薬の調節やインスリン量の調節が必要になりますので、早めに受診ないしは電話相談をしてください。
参考になれば幸いです。