

皇室の馬車の展示などは興味深く見ました。
梅雨のような しとしとした雨が降っていますね。
外も暑くないので、雨の合間に外遊びがとても楽です。
結局、体を動かさないとストレス溜まってしまいますね。
今は湿度も高いせいか、じっとりとした汗が出ます。
汗は身体の熱を冷やして、体温を調節する役割を持っています。汗という水分が皮膚の上で気化するときに熱が奪われる仕組みになっています。
汗が、運動の後や入浴の後、また高い気温の日などに大量に出るのは普通のことです。けれども、季節な特別な活動を伴わず、汗が大量に出る場合は多汗症の可能性があります。
汗が出るのは生理現象だし、汗っかきなのだとあきらめて自分が多汗症であると気が付かないケーㇲも少なくありません。
多汗症は全身に汗をかく、『全身性多汗症』と手のひらやわきの下、足の裏といった一部に汗をかく『局所性多汗症』があります。それぞれの誘因としては下記のようなものがあります。
『全身性多汗症』運動・発熱・更年期障害・パーキンソン病・薬剤の副作用・感染症など
『局所性多汗症』緊張による精神的なもの、神経疾患、皮膚疾患など しかし、原因がわからない・特定できないものが多い
多汗症は実は原因がわからないケースがほとんどです。
原因がわかっている場合は『続発性多汗症』といい、原因がわからない場合は『原発性多汗症』といいます。
甲状腺機能亢進症のような続発性多汗症の場合はその病気の治療を行うことで改善が期待できます。
しかし、病気にこことあたりがなくて、下記チェックリストに複数該当している場合は『原発性多汗症』の可能性があります。症状は交感神経が強く働く特に引き起こされることも多いため、自律神経失調症が関わっていることも考えられます。
★多汗症チェックリスト★
・暑くない環境にいるのに大量の汗をかく
・常にわきの下や手足に汗をかいている
・手から汗がしたたり落ちることもある
・就寝中は症状がない
・足のにおいがくさい
・左右同様に症状がでる
・子供のころ、もしくは20代から症状がある
・本のページをめくる時、紙がぬれてしまう
・緊張すると汗が出る
・同様の体質の人が身内にもいる
治療にはいくつかあります。外用薬としては一般的に塩化アルミニウムが処方されます。これを1日1回患部に塗布し、三週間ほど続けてみます。
原発性腋下多汗症に対しては、2020年9月にエクロックゲルという外用薬が保険適応で使用可能になっています。こちらも一日1回塗布の製剤ですが、わきの多汗症にのみ適応となっています。
その他、多汗症の治療にはイオンフォレーシスという治療も行われます。容器の入った水に手のひらや足の裏を浸し、微弱な電流を流す治療法です。
さらにいわゆるボトックス注射(ボツリヌス毒素を使用した局所注射法)も有効とされていますが、保険の適応外です。
続発性多汗症の予防はまずは原因になっている疾患の治療が必要です。それに伴い、多汗の症状が改善されるか経過を見ます。
原発性多汗症では自律神経整える生活を送ることがストレスを減らし、改善につながります。例えば十分な睡眠をとること。毎日、同じ時間に起床・就寝すること。緊張やストレスを感じたら、何度か深呼吸することも効果的です。メリハリをつけて意識的にリラックスするようにしてみてください。
汗の悩みが解消されないとき、皮膚科の受診がおすすめです。
ちなみに当院は内科です。ちょっと専門外なのですみません。
前回の続きです。
ミトコンドリアの能力を改善させる薬は血糖値を改善する可能性がある話を書きました。
どうして、年を取るとミトコンドリアの能力が低下するのか という部分になります。
ミトコンドリア自体が出している活性酸素の影響が今考えられているミトコンドリアの老化の原因です。活性酸素という言葉も最近、耳にする機会があるかもしれません。
酸素が活性化したもので、他の物質を酸化させる力が非常に強い酸素です。消毒薬のオキシドール(過酸化水素)も活性酸素の一つです。細菌やウイルスなどを殺すことができます。
ミトコンドリアはブドウ糖と酸素を使ってエネルギーを作り出します。ミトコンドリアが頑張ると大量のエネルギーが作り出せます。が、その一方でつよい毒?のような活性酸素も作り出します。
生み出した活性酸素がミトコンドリア自体も傷害し、それが続くことで、ミトコンドリアが死んでしまいます。
この秋に新薬として発売されるお薬がミトコンドリアが生み出す活性酸素を予防する薬です。イメグリミンというお名前ですが、ミトコンドリア機能を改善する新規機序のお薬です。
糖尿病薬はどんどん新しい治療が出てきます。治療選択肢が増えるということが、よい治療につながっていくとよいなと考えています。
雨で子供たちは折り紙・工作遊びをしています。
のんびりとした休日です。
さて、ミトコンドリアという言葉、聞いたことありますか?
むかーし昔、生物の授業で聞いたことがある
言葉は聞いたことがある という人もいらっしゃるかなと思います。
ミトコンドリアと糖尿病はとても深い関係にあります。
もう少ししたら、ミトコンドリアに関連した糖尿病の新薬が発売されます。
ということで、本日のお話です。
私たちの体の中でミトコンドリアは食事に含まれる糖や脂質を分解して、エネルギーを作り出しています。この過程で酸素を使用使っています。そのため、ミトコンドリアは酸素がないとエネルギーを作れなくなって死んでしまいます。ミトコンドリアが死んでしまうとエネルギーが作れなくなるので、私たち自身も死んでしまいます。
ミトコンドリアは私たちの細胞の中に「いる」器官です。
一つの細胞の中に数百から数千個ほどいます。
ミトコンドリアは大昔、私たちの細胞の中に寄生した生き物(好気性細菌)が起源で、今は細胞の中の小さな器官となり住み着いているのです。
人間の体のほとんどの細胞にミトコンドリアがいて、脳や心臓・筋肉・肝臓など、エネルギーを必要とする臓器ほどミトコンドリアが豊富です。
膵臓にもミトコンドリアが豊富です。
糖尿病はインスリンの働きが悪くなることでブドウ糖が上手に利用できなくなる病気です。インスリンが膵臓から分泌されていますが、その際にもミトコンドリアでのエネルギーを使用します。ミトコンドリアの働きが悪いと膵臓からのインスリン分泌が十分でなくなり、結果、血糖値が上昇してしまいます。
年を取ると糖尿病になる方が増えてきます。また、年を取ると糖尿病の方でも血糖が悪化する人がいます。その原因にもミトコンドリアが関連しているといわれます。
ミトコンドリア自体が衰えて、エネルギーを作る能力が衰えるといわれています。
老化の原因はミトコンドリアの機能低下にあると考える『ミトコンドリア老化説』という説まであります。インスリン分泌だけの問題でなく、筋肉や肝臓にもミトコンドリアが豊富に存在しており、そのため、インスリンの作用場所である、筋肉・肝臓でのミトコンドリアの働きも血糖を低下させることに影響があると考えられます。
⇒ミトコンドリアの能力が改善すれば 膵臓からのインスリン分泌が改善し、筋肉や肝臓でのインスリンの働きもよくなる可能性があります。二つのアプローチで血糖改善が期待されます。
暑いですね。日中は家の中でオリンピック見たりして過ごし、夕方散歩に出ました。
今日から2日連休になります。
その後はお盆休みで12‐14日までお休みをいただきます。
よろしくお願いします。
患者さんとお話ししていての疑問点 少し調べたので記載します。
骨粗鬆症に対しても、ビスホスホネート製剤、ビタミンD製剤、女性ホルモン製剤などなど様々な治療薬が使用されています。
その中でビスホスホネート(ボナロンやベネット、今は注射製剤もありますね)製剤のお話です。
ビスホスホネート製剤は強い骨吸収抑制の作用があり、骨粗鬆症の治療や予防(ステロイド内服などの時の骨粗しょう症予防でよく使用します)の第一選択薬で、一般的にとても広く使用されているお薬です。
顎骨壊死などの副作用が知られていて歯科治療の際には中止をします。
その他、内服では逆流性食道炎などが有名ではあります。
最近は長期間でのビスホスホネート内服で大腿骨の骨折発生が報告されていて、非定型大腿骨骨折と呼ばれています。
開発時の臨床試験では,プラセボ(偽薬)と比較し,椎体骨折で約50%,大腿骨近位部骨折で約55%,非椎体骨折で約30%の骨折抑制効果が示されています。日常的な診療においてどの程度の骨折抑制効果が認められるのかを正確に評価することは困難です。けれど、例えば大腿骨近位部骨折については少なくとも30%程度の抑制効果があると推定され,大腿骨近位部をすでに骨折している患者では,その後ビスホスホネート製剤を始めることで反対側の骨折が70%も減ったと報告されています。
しかしながら、骨密度が高くなること=骨折しにくくなる
ではないという意見もあります。
チョークに例えるのが分かりやすかったのですが、
黒板に白い文字を書くチョークは決して柔らかくありません。むしろ硬いのですが、少し力を加えるだけで容易に折れてしまいます。「骨密度が高く骨が硬い」というのは、決して「骨折しにくくなる」ことを意味していないということになります。
海外論文ではビスホスホネート製剤の治療期間は1-3年で十分であり、それ以上の長期間にわたりビスホスホネート製剤を投与することはむしろ過剰投与となる可能性があると論じているものもあります。
またビスホスホネート製剤の5年間投与後に、その投与を中止しても骨折予防効果は減弱しないという報告もあります。
ビスホスホネートと非定型大腿骨骨折の関連はまだ最終的な結論が出ていないのが現状のようです。
ビスホスホネート製剤は数年の内服で骨内へ製剤移行するため、その後数年以上にわたって効果が持続されるということなので、長期内服は不要であるようにも思います。3-5年内服の折に、その時の骨密度や骨折リスクを評価し、一時的な中止をするのかどうか、あるいは他の女性ホルモン製剤やビタミンD製剤に変更するかなどを検討するのが良いと思います。
漫然と投与されることに疑問を感じたり、
逆にリスクがあるのかないのかと考えることも大切ですね。
とても勉強になりました。
まとめ方がちょっと分かりにくかったかなと思います。参考になれば嬉しいです。
良い休日を過ごしてください。