

日本のトイレなら、ほとんどの家庭に設置されているといわれるウォシュレット機能付きトイレ。
皆さんはお尻洗いますか?
それとも、使いませんか?
先日、外来でお尻の穴のあたりが、かぶれてる?全然治らないという方から相談を受けました。
きくと、清潔を保つためにトイレのたびにウォシュレットでせっせと洗っているそうです。
洗った後はちゃんと水分をふき取ってるんだけどね。かゆくてどうにも治らない ということでした。
2010年の日本の温水洗浄便座(ウォシュレット)の普及率は71.3%だそうです。日本人の清潔好きからかなり高い普及率となっているとされています。
しかし、その不適切な使用(洗いすぎ・水圧が強すぎ・水温が高すぎ・・・など)で肛門周囲の湿疹や・皮膚炎・潰瘍や直腸炎などが増えていると指摘されています。
強い水流で長時間(10秒以上)洗うと肛門に傷がつく可能があります。
頻繁に使用したり、水温が高い状態で使用すると皮膚や粘膜の皮脂が洗い流されたり、常在菌が洗われて皮膚のバリア機能が破綻していきます。
この方もおそらくウォシュレットの使い過ぎが慢性的な炎症を引き起こし、さらには湿疹があるため清潔にと・・・悪循環を引き起こしていたと思われます。
清潔を保つため と考えがちですが、傷があったり、出血したりする場合は肛門を刺激せず、ウォシュレットはしばらくお休みのほうが傷は治りやすくなります。
それでも、どうしてもどうしても、使用したい場合は 排便時に1日1回程度が良いと思います。
また高齢者では肛門括約筋といって、お尻の穴を締める筋肉が弱っている場合があります。肛門をきれいにしようと洗浄すればするほど、お尻の穴の中にお湯が入り、のちに少しずつ漏れ出て、下着が汚れたり、肛門がべたついたり、便が付着したりする原因になることがあります。
お尻の拭き方も優しく、紙で抑えるようにしたほうが良いです。
日常的にウォシュレットを使用される人は一度、見直されるとよいと思います。
参考になれば幸いです。
ここ2日、血糖変動のお話をしてきました。
糖尿病データマネジメント研究(JDDM)の報告ではBMI(体格指数)25以上の肥満の人や、糖尿病発症10年以上の人が冬に血糖コントロールが悪化する傾向があるとのことです。
また、インスリン治療をしている人やSU薬で治療をしている人にも季節変動が大きいと報告があります。
冬は血糖コントロールが乱れやすい時期です。
HbA1cが上がりやすい傾向がある季節ですが、この時期こそしっかり運動療法をおこない、悪化を最小限に抑えることが大切です。毎年、冬に悪化しやすい人は去年より今年の上りが少ないように、今の生活を見直ししてみてください。
運動不足も影響しますし、みかん(一日適量80Kcalはみかんにして2個くらい)など手軽に食べられる果物を手の届くところにおいてずーっと食べてしまう人もいるようです。
あとは、干し柿!とてもおいしいので、食べちゃダメ とは言いませんが、田舎では秋にたくさん干していて、冬にニコニコ食べる人も多いです。小さいのでたくさん食べてしまいがちですが、1個で約80Kcal。1日1こに抑えましょう。
果物は1日80Kcalが糖尿病の人では適正量です。それ以上だとちょっと多いですね。
ほかには新米が取れて、冬になってご飯がおいしくて・・・
いろいろ美味しいですね。
少し意識して対策を立てていくことをお勧めします。
参考になれば幸いです。
冬になると誰しも体脂肪が増えやすくなります。
寒さに反応して、気温が下がるにつれ、体温を維持したり身体を守るために体脂肪が増えやすくなるそうです。
その原因の一つに「コルチゾール」というホルモンの働きが挙げられています。
コルチゾールはストレスホルモンとも言われており、身体的なストレス、精神的なストレス、いかなるストレス下においても副腎から産生される量が増えて身体をストレスから守ります。
気温が下がるというストレスから身体を守るために分泌量が増えると考えられます。
コルチゾールはインスリンの血糖降下作用を邪魔する働きがあり(インスリン抵抗性といいます)、太りやすく血糖値が上がりやすくなると考えられています。
余談ですが、コルチゾールは治療で使用されるステロイド剤の仲間です。
なので、ステロイド点滴やステロイド内服、ステロイドの関節注射など、ステロイドを使用した治療のあとには血糖が上がりやすくなります。ステロイドの外用薬はそこまで血糖が上昇しない印象ですが、長期間使用していたり広範囲に強いステロイド使用している場合は血糖に影響を及ぼすことがあります。
今日はここまでです。
11‐12月頃から加東市では感染性胃腸炎が大流行しています。
近くの小児科さんでは年末に話をしたときに目が回るほどの忙しさだったと聞きました。
年が明けて、当院では嘔吐下痢のような感染性胃腸炎の患者さんは減少しているように思いますが、それでも、突然の頻回な嘔吐と下痢で来院される方もまだいます。
ノロウイルス感染症が発症すると突然強い吐き気や下痢、腹痛などの症状が起こります。
この時の対処法としては、まずは安静にしてこまめな水分摂取をすることが大切です。
そして薬を服用する際には、下痢止めは使用しないでください。
激しい下痢では下痢を止めてしまいたくなる気持ちはとてもよくわかります。
しかし、下痢止めの薬は腸の働きを弱め、ウイルスが体外へ排出されるのを阻害し、症状を悪化させたり長引かせたりする要因になってしまいます。
ノロウイルス感染症で特に注意しなければならないのは、発症者が3歳未満と65歳以上の場合です。そして、がんを患っていたり、糖尿病や心臓病などの基礎疾患がある場合です。これらに当てはまる方は命に危険が及ぶほど症状が重症化することがあります。
3歳未満の子供や65歳以上の方、悪性腫瘍の診断を受けている方、臓器移植後の方、免疫抑制の薬を使用している方などでは迅速診断キットが健康保険適応になっています。
当院では病原体を突き止めることで大きく治療方針が変わるわけではないので(ウイルス性腸炎に効く薬はなく、基本的には対症療法です)迅速検査は行っていません。しかし、嘔吐下痢などの症状がきつい場合には我慢せずに、かかりつけ医や医療機関を受診するようにしてください。
糖尿病の方はシックデーの対応として、内服薬の調節やインスリン量の調節が必要になりますので、早めに受診ないしは電話相談をしてください。
参考になれば幸いです。
今朝も冷え込みますね。
路面凍結もしているようで、地域によっては大雪予報です。気を付けてお出かけください。
さて、新型コロナのオミクロン株の感染者数が急激に増えていることもあり、3回目接種のことを外来で聞かれる機会が増えてきました。
加東市では2月1日から高齢者から3回目接種が開始となる予定です。
接種券が順番に届きますので、そちらに記載の内容をよく読んでご予約お願いします。
現時点では1月17日の13時から予約枠がオープンになるようです。
当院ではコールセンターおよびWeb予約での予約受付を行う予定です。
使用ワクチンはファイザー製のワクチンです。モデルナを希望の方は集団接種での接種を選択してください。
接種券の発送に関しては2回目を受けた65歳以上の方から順次、発送されるようです。
加東市から案内があった発送のスケジュールは以下の通りです。

案内のプリントを院内に用意していますので、必要な方はお持ち帰りください。
参考になれば幸いです。
また、新しい情報がわかり次第お知らせいたします。
朝晩、冷えますね。お日様が出れば、日中はまだすごしやすいですが、とにかく冷えます。
今日も日本医師会の健康ぷらざからの話題です。
高齢者の増加に伴って、入浴中の事故が増え続けています。
2013年のデータですが、全国の入浴中の急死者数は年間約19000人と推計されています。
急激な温度変化により身体がダメージを受けるヒートショックは寒い脱衣所から急に熱い湯に入ったときに血圧が変動して心筋梗塞を起こすことがあるので、入浴事故の主な原因とされてきました。しかし、高齢者の入浴事故を調査した結果では、ヒートショックは7%で入浴熱中症が84%でした。
体温37度の人が全身浴をした場合、湯温が41度では33分で、42度では26分で体温が40度に達するという研究報告があります。
体温が40度を超えると熱中症の症状が出始めて、意識障害が起き、42.5度に達すると心房細動を起こして突然死する危険性が高まります。
高齢者は熱さを感じにくく、長時間浴槽につかる傾向があり、予兆なく意識障害に陥りやすいです。体格の小さな子供ややせた人は身体が温まりやすいので、注意が必要です。飲酒後に入浴すると眠り込んでしまったり、ダイエット目的の入浴では症状を我慢してしまい、長風呂になりやすいので大変危険です。
サウナ愛好家がサウナ室と水風呂への入浴を繰り返す温冷交代浴によって得られる快感を「ととのう」と表現します。自律神経の働きを高める方法の一つですが、ヒートショックと同じことです。高血圧や心臓に病気がある方には危険です。
持病がなくても体調がよくないときには、サウナも入浴も控えましょう。
体温を適度に上昇させない入浴の仕方など工夫として、
1.湯温を41度以下にする
2.浴槽につかる時間を10分以内にする
3.浴室に時計を置く
4.半身浴やシャワーを取り入れる
5.入浴後の体温測定を習慣にする
6.飲酒後に入浴しない
7.入浴する際に同居人に一声かける
とても気持ちの良いお風呂。安全な入浴を心がけましょう。
参考になれば幸いです。
おはようございます。
今日から子供たちは小学校・幼稚園ともに通常通りに開始し、やっと少しゆっくりした時間ができました。
子供たちの休み中はブログに書きたいと思っていることがあっても、時間がとりにくくてそのままになってしまいます。
仕方ないと割り切って過ごしています。優先順位を決めて、動かないとどれも中途半端になってしまいます。
さて、今日は久しぶりの雨。朝起きた時はまだ降っていなかったのですが、登校・登園時間には雨が降り始めました。
雪が降ることは年末年始でありましたが、久しぶりの雨ですね。
今日は日本医師会健康ぷらざ(11月号)の記事から引用です。
雨の日や、雨が降ってくる前に頭痛やめまい、肩こりなどが起こる人がいますね。
そのほかにも首・膝・腰などの痛みや耳鳴り、倦怠感、気分が沈むなどの天気の変化に十なって起こる症状は様々です。もともとある症状が雨の日に悪化することもあります。
このような症状・状態を天気痛(または気象病)と呼んでいます。
天候が崩れると気圧が徐々に下がります。内耳(耳の奥の骨の中にあり聴覚と平衡感覚に関与する器官)には気圧のセンサーがあり、気圧の低下を察知すると考えられています。気圧の変動は身体にとって大きな負担なので、ストレスとして脳に伝わり、自律神経(体の状態を調節している神経 交感神経と副交感神経)が乱れて、頭痛やめまい、肩こりなどを引き起こすことがあります。
痛みやめまいの原因となる病気があれば、きちんと治療することが重要です。痛みには鎮痛薬を、めまいには乗り物酔い止めのような薬を使用することもあります。
天気痛の症状を予防するには生活習慣を改善するなど、セルフケアによるコントロールも大切です。

気圧が低下して天気痛が起こりそうになった時に、又は予防のために日頃から耳をマッサージして耳の血流をよくすることも勧められています。温タオルで耳を温めてから行うと効果的です。
血流が不足すると痛みを引き起こす原因になるので、くびや肩などの痛みが出る場所の筋肉をほぐしましょう。普段から身体を動かすことは全身の血行改善だけでなく、気分転換にもなり、自律神経を整えるのに有効です。
お天気にかかわらず、気分良く過ごしたいですね。
参考になれば幸いです。