稜線から見た穂高。山頂はすっぽり雲の中。
これから常念岳へ向かう。
稜線は風が強く体温を奪っていく。
蝶槍から見た常念岳。まだまだ彼方。
でも横尾尾根のような単調な登りはもうないからいいかな。
せっかく登ったのにズンズン下ってまた森の中へ。
振り返って蝶槍を見ると、どれだけ下って来たのかが分かる。
下った場所は秋の日溜まり。
稜線は寒くて震えていたけど、ここはぽかぽかと温かい。
登っていくと、紅葉の森の向こうに常念岳が顔を出している。
こうして見るともう手が届きそう。
何度かアップダウンを繰り返した後、この丘を越えればいよいよ常念岳に取り付く。
さあ、常念岳への登りが始まる。
まるでゴジラの背を登るかの様な登山道。
行く手を阻むかのような登り。遠くからの見た目と実際の登りとのギャップにびっくりする。
頑張って登っているのに全然近づいている気がしない。イタズラに時間だけが吸い込まれいるかの様な感じになる。
それでも振り向けばちょっとずつでも高度を稼いでいるのが分かる。もう少しあと少し頑張ろう。
山頂から見た槍ヶ岳。取り敢えず常念岳には辿り着いたが、槍はもっともっと彼方。
登りと違い、下りは緩めだが、疲れ切っているので足取りはおぼつかない。
それでも15時には常念小屋に到着。
テント場は空いてはいたが、緩い斜面のため、寝ていると、シュラフが少しづつ滑る滑る。熟睡は出来なかったが、なんとか疲れは取れた。
(続く)