多摩の森の木の住まいの木工事が終盤になってきました。
天井板が大分張れてきました。
この住まいの構造材や造作材はほとんどが多摩の桧、杉ですが、
部分的には、
適材適所ということで、他の産地のムクの木も利用しています。
例えば、この天井板も、最初は合板の杉柾天井のつもりでしたが、
あちこちムクの木で出来ていく家の姿を見て、やはり天井もムクの板を張りたいということになりました。
幸い、私たちは、秋田県能代市から招かれて、首都圏の設計者集団として交流を行った経緯があり、良質の秋田杉のムクの天井板を割合リーズナブルな価格で、直接手に入れる事が出来ます。この家は、最近では珍しいくらい客間や寝室が畳敷きの和室であったり、2階の私的な居間は和風にしたいとの事で、全部で5部屋程、板張り天井になっています。張られてみると、下に置かれているのを見ていた時よりも、ぐっと力強いムクの魅力が
迫ってきます。なるほど、日本は木の国で日本の国土の2/3が森林だと言う事が実感できます。そして、私たちもムクの木に囲まれていると安心出来る事を感じ、木の国の人間なのだという事を強く感じます。
大工さんは、刻みから建て方、造作と約1年かけてコツコツと家を造ってきました。もうすぐ他の職方に出番を譲ります。設計者としては、いつも見慣れていた大工さんの姿が見えなくなると思うと少し寂しい気がします。最後まで気を抜かず、安全に良い住まいを作っていって欲しいと感謝の気持ちも込めながら願っています。
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