再読のための覚え書き
純白の夜
三島由紀夫(1925-1970)
銀行家村松恒彦の年若い妻の郁子は、村松の友人の楠と出会い、次第に二人は惹かれ合ってゆく。
しかし、郁子はそのセレブとしてのプライドが、楠木はそのドンファンとしてのプライドが、それぞれに邪魔をして、二人の関係は先に進まない。
そのまま立ち消えになるかと思われた二人の関係は、第三者の介在で、思わぬ方向に流れてゆく。
「楠への愛、彼の郁子への愛、この模糊たるもの、この霧のようなものの只中へ、今行われようとしている一つの行為が、機関車のように霧の中から姿をあらわし、おかまいなしに何もかも蹂躙して、どこへともしらず驀進してゆく。あとに残された人間は、あとに残された愛はどうすればよいのか。」
2022.1.21読了
純白の夜
新潮文庫
昭和31年7月30日初版発行
昭和44年2月20日改版初版発行
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