再読のための覚え書き
遅咲きの薔薇
テオドール・シュトルム(1817-1888)
国松孝二訳
表題作の「遅咲きの薔薇」は、歳を重ねた妻の色褪せた姿によって、夫には妻の心の美しさがなお一層見えてきたという話。
シュトルム前期の「遅咲きの薔薇」がシューマンの抒情的な歌曲とするなら、併録の後期の「北の海」は、ブラームスの重く沈鬱な歌曲といった感じ。
《北の海》
船乗りのハンス・キルヒが暮らす港町では、一流の船乗りになることが名誉とされ、町の有力者としての地位が授けられた。
自身の望みを果たせなかったハンスは、息子のハインツにそれを期待し、無理強いをした。
しかし、船乗りとして外国への1年の長旅に出たハインツは、そのまま音信不通となってしまった。
十数年後、老いたひとりの男が、ハンスの港町に姿を現す……。
2023.2.2読了
遅咲きの薔薇
角川文庫
昭和34年9月10日初版発行
昭和40年11月30日3刷
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