再読のための覚え書き
幸福の限界
石川達三(1905-1985)
夫の戦死の報せを受けて、省子は、幼い子どもを連れて実家に戻ってきた。
その妹の由岐子は、姉の結婚を女中奉公だと断じ、自由を求めていた。
彼女たちの母、敦子は、善良な夫、峯三との生活に、幸福を見出せないでいた。
娘たちの姿に女としての不幸せを見た敦子は、ある決心を実行しようとする。
「あの子を手放してやろう。一人きりで行かせてやろう!娘は傷ついてもどって来るだろう。しかし意外に美しい幸福を、私たちの見たことも触れたこともない幸福を、手にとり頭にかざして帰って来るかも知れない」
2022.2.24読了
幸福の限界
新潮文庫
昭和29年3月30日初版発行
昭和32年12月10日14刷
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