長島 潤 Sing a mindscape

jun nagashima singer-songwriter

プロスペル・メリメ「エトルリヤの壺」

2021-07-02 10:27:00 | 

再読のための覚え書き


エトルリヤの壺

プロスペル・メリメ(1803-1870

杉捷夫訳


《エトルリヤの壺》

サン-クレールは、ド・クルシ未亡人と心を通わすが、彼女が大切にするエトルリヤの壺に他の男の影を見て疑心を抱く。


「殿方というものはみんなドン・ファンという評判をとりたいらしいのね。ところが、人の奥さんを盗んだつもりでいて、その実殿方の出くわすのは、大抵、殿方より役者が一枚上のドナ・ファナではなくって?」


友人同士で恋愛論が語られる中、愛する女に心を悩ませる男の心の浮き沈みがおもしろかった。


他五編


どの話も、陰鬱で不条理な死がつきまとうが、そこに善も悪も問わず、ただ運命と切り捨てるかのような描写が、刃物のように鋭い。



2021.7.1読了


エトルリヤの壺

岩波文庫

昭和3725日初版発行

昭和4982030


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