再読のための覚え書き
命ある日
芹沢光治良(1896-1993)
帝大を卒業間近の日高は、友人を見舞いに行った結核療養施設「希望寮」で見かけた女性に心を奪われるが、のちにその女性、静子と偶然再会。
日高と静子は次第に心を通わせ、結婚を約束するが、静子は喀血し、希望寮に入寮する。
静子は、男の罹患と女の罹患の社会的な差に気付き、日高との結婚に対して心乱れるのであった。
「彼女の清浄な美しさというのは、誰も気がつかないようなところで、人のきらう仕事を耐えてしているうちに、磨かれて出た光沢のように思われるよ。死と希望をはらんだような美だっていうふうに」
2021.7.5読了
命ある日
角川文庫
昭和30年4月10日初版発行
昭和45年1月20日改版初版発行
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