O.ヘンリーの短篇小説。
The Green Door (原文サイト)
翻訳を読んで疑問に感じた箇所があります。
冒頭に近い部分、婦人が一声絶叫する文章。
"parallelogram!"
この単語の訳がどうしても理解できないのです。
突然、出てくるこの単語。
parallelogram は 辞書には名詞で 「平行四辺形」 と記載があるだけ。
原文の書き出しは下記の通り。
Suppose you should be walking down Broadway after dinner, with ten minutes allotted to the consummation of your cigar while you are choosing between a diverting tragedy and something serious in the way of vaudeville. Suddenly a hand is laid upon your arm. You turn to look into the thrilling eyes of a beautiful woman, wonderful in diamonds and Russian sables. She thrusts hurriedly into your hand an extremely hot buttered roll, flashes out a tiny pair of scissors, snips off the second button of your overcoat, meaningly ejaculates the one word, "
parallelogram!" and swiftly flies down a cross street, looking back fearfully over her shoulder.
問題の parallelogram! に赤文字で下線を引きました。
婦人が男性のオーバーコートの第2ボタンをハサミで引き剥がした場面、
婦人が一言叫ぶ、「平行四辺形!」
これ、分かります??
男性と別れ際に叫ぶ言葉が「平行四辺形!」
なぜ、だろう???
私には、分からない! 解せない!
違和感あり過ぎ。
翻訳本の先生おふたり共、「平行四辺形」 と訳していらっしゃいます。
平行四辺形! と叫ぶ?? 不思議??と首をひねってしまいました。
場面と言葉が、つながらない。
調べて調べて調べて、自分なりに考察。
parallelogram の -gram には、古語で 「有難い・かたじけない」の意味が含まれている と分かりました。
ボタンをもぎ取った後で婦人が一言、
「有難う!」なら、分かる。
あるいは、
「かたじけない!」
と叫んで、飛ぶかのように角の道を通り去る状況は、なんとなく分かる。
上記の英文からのニュアンスで、
呆然と立ちすぐんでいる男性の姿と、外套からボタンを平行に引き離した婦人が浮かんできます。
現代的に簡潔に表現すれば、「有難う」。
ちょっと古めかしく言えば、「かたじけない」 などの解釈になるのでしょうが、武士のように感じます。
注)「かたじけない」に変わる、江戸時代頃の女性が使っていそうな最適な古語を考え中。
叫び方のイメージは、「ありが と
お
ー」 と語尾が高く上がる。
「かたじけ なー
い」と語尾が長く高く上がる。
これなら少し納得できそうです。
追記:22:32
古語ではないけれど、
「いッただきィー
!」 と叫んでかっさらうのが、良さそうかな?
追記:30日 07:50
parallelogram の意味とかけ離れているかもしれないけれど、
「さらばじゃ
」
と訳すのが、ピッタリかな?
などなど・・・今でも色々思案中。