[ITpro EXPO]二酸化炭素の排出を減らしてポイントを貯めよう---環境省が講演 記事一覧へ >>
環境省 総合環境政策局 環境経済課 環境教育推進室&民間活動支援室 室長補佐の中島恵理氏
2008年10月15日,東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2008 Autumn」のメインシアターで,CO2削減に効果的な商品に付与される「エコ・アクション・ポイント」とその普及策について,環境省 総合環境政策局 環境経済課 環境教育推進室&民間活動支援室 室長補佐の中島恵理氏が講演した(写真)。このポイント事業は,環境省が家庭からの温暖化ガス排出削減策の切り札として推進しているもので,10月15日に全国でサービスを開始した。
「CO2削減に効果のある商品を意識的に購入している消費者は5%にすぎない。環境に配慮した行動を促す強いインセンティブが必要だ」。講演の冒頭で中島氏は,エコ・アクション・ポイント導入の狙いをこのように語る。エコ・アクション・ポイントの対象となる商品は,省エネ型の冷蔵庫やテレビなどの家電製品,エコマーク付きの家庭用品,ヒートポンプや太陽光発電などの住宅設備,ハイブリッド車など。「できるだけ広範囲の商品やサービスを対象にすることで,消費者がポイントを貯めやすくしたい」(中島氏)と言う。
貯まったポイントは,鉄道のプリペイド・カードやリサイクル素材で作られた日用品など,環境に配慮した商品と交換できる。あるいは,環境価値(クレジット)の一つで,CO2を排出しない自然エネルギーの発電設備から供給される電力を購入したと見なされる「グリーン電力証書」と交換することも可能だ。
続いて中島氏は,聴講者にパンフレットを配布して,エコ・アクション・ポイントの利用方法について説明した。「Webサイトに携帯電話などからアクセスして利用登録するだけ。とても簡単にできる」(中島氏)。利用登録が済めば,購入した商品に付いてくるポイント・カードに記載されている「アクションナンバー」を入力するか,カードに印刷されたQRコードを読み取り,ポイントを登録できる仕組みだ。
中島氏は「エコ・アクション・ポイントの特徴は,その商品やサービスを購入したことで,自分がCO2削減にどれだけ貢献したかを確認できること」と話し,量販店など実施している他のポイント・サービスとの違いを強調する。貢献を“見える化”することで,エコ商品購入のインセンティブを高めようというわけである。利用者はマイページを開くと,ポイント残高だけでなく,自分がオフセットしたCO2の履歴と累積量を確認できる。
例えば,ITpro EXPOでは,ポイントラリーの景品として「エコ・アクション・ポイント1000ポイント分」を用意している。これを獲得して登録すれば,364グラムのCO2をオフセットしたことが確認できるはずだ。
中島氏は最後に,「エコ・アクション・ポイントの付いた商品やサービスには,環境配慮という付加価値がつく。システムの運用も共通プラットフォームを用意しているので,速くて低コスト。ぜひ自社の製品やサービスにエコ・アクション・ポイントを導入できないか,検討してほしい」と聴講者に呼びかけた。
ITPro ニュース
環境省 エコ・アクション・ポイント 公式ホームページ