女性のための住まい相談室blog/女性一級建築士、整理収納アドバイザー、インテリアコーディネーターと考える住まいづくり

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住宅・建築物の省エネ性能表示制度(BELS)に関するシンポジウムに参加しました

2017年03月05日 | 相談以外の仕事 事務所の最近など

水曜日は、永田町の都市センターホテルで行われました、『住宅・建築物の省エネ性能表示制度(BELS)に関するシンポジウム』を聴きに行って参りました。

主催者は、株式会社野村総合研究所 共催は国土交通省とあって、会場は満席でした。

当初定員400人とありましたが、当日は、「600人の出席者なので、テーブルなし椅子のみの席としました。」と、説明がありました。

講演者は下記の方々。

錚々たるメンバーでした。

国土交通省 住宅局 住宅生産課 山下氏

早稲田大学 建築学科 田辺 新一先生、

リクルート住まいカンパニー SUUMO 編集長 池本 洋一氏

すてきナイスグループ株式会社、取締役 平田氏 (分譲戸建住宅)

株式会社 大京 建築管理部 内田氏 (分譲共同住宅)

一般社団法人 JBN ZEH委員会委員長 エコワークス㈱ 代表取締役社長 小山貴史氏 (戸建注文住宅)

日本生命保険相互会社、不動産部 高原氏(賃貸オフィス)

株式会社 ローソン 開発本部建設部 樋口氏 (コンビニエンスストア)

 

それぞれの分野の担当者より、それぞれの取組みについて実際の事例を交えて紹介されました。

最後には、「省エネ性能表示の更なる普及に向けて」をテーマにパネルディスカッションが開催され、興味深い内容でした。

各分野、会社の取り組み、動向を聞くことができて、有意義なシンポジウムでした。

 

写真撮影もOKです、ということでしたので、撮らせていただきました。

住宅に関するものだけですが、ご紹介いたします。

いよいよ今年4月から、建築物省エネ法により、延べ面積2000㎡以上の非住宅建築物については、省エネ基準の適合義務(省エネ適合性判定)が始まり、計画だけでなく、完成した建物が、省エネ基準をクリアすることが義務付けになります。 

2020年までには、他の住宅や建築物にも段階的に適合義務化が広がってくると思われます。

国土交通省HP http://www.mlit.go.jp/report/press/house04_hh_000656.html



お住まいのご計画のおありの方は、2020年までに新築住宅も段階的に省エネルギー基準の適合は義務化されますので注視していてください。

こちらは、早稲田大学の田辺先生の資料です。

 

また、建築物の販売・賃貸を行う事業者は、その販売又は賃貸を行う建築物について、省エネ性能を表示するよう努めなければなりません。

国土交通省資料  http://www.mlit.go.jp/common/001122746.pdf

省エネ基準をクリアした建物には、下記のようなラベルやプレートをかかげることが推奨されています。

BELS(ベルス)マーク。

 

下記のグラフは住宅のものですが、

2016年3月からBELSの申請受付が開始されて、2017年1月までの申請数を表したものです。

現在では、1万件を超えているようです。

 

一般社団法人 住宅性能評価・表示協会のwebサイトをご覧いただくと、BELS表示に積極的に取り組んでいるビルダーが解ります。

ビルダー選びのひとつの基準にしていただければと思います。

例えば、地図の東京をクリックし、上部にでてくる緑色の帯の右から2番目、一戸建ての住宅をクリックしてください。

https://www2.hyoukakyoukai.or.jp/bels/info/jireishokai.php

 

住宅においては、4月からは、BELSのZEH(ゼッチ)表示もスタートするそうです。

★5つが、最高等級。

予算などもあり、どなたでも、なんでもかんでも、ZEHにできるわけではないですが、出来る限りZEHを意識して、お住まいの計画を考えた方がよいとと思われます。

無視はできないでしょう。

省エネ性能の高い家をつくると光熱費も安くなるのですよね。


ZEH補助金の申請件数も2016年は6356件。

予算が増えた分を賄うために、補助金も申請できます。

ZEHにすると、省エネであるというだけでなく、室内環境は快適というアンケート結果もあります。

 

 ZEHのような、断熱性能のよい家に暮らすと、浴室も従来より暖かくなるため、入浴中の死亡率も低くなるでしょう。

消費者庁からこの冬出された『冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!』というNEWS Releaseをご覧ください。

お風呂の死亡事故、多いのです。

消費者庁  http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/170125kouhyou_1.pdf

 

ヨーロッパ各国では、不動産屋の広告に省エネ表示は、今では、必ずついており(次の写真の黄緑、オレンジ、黄色などの棒グラフがそれ)

省エネ性能が高い住宅ほど成約までの時間も短い、早く決まってゆく、というデータがあるというお話もありました。

日本も、新築はもちろん、中古物件についても、省エネ表示がこれからは当たり前になってくると思われます。

将来、老人施設などに入るから家を売る、というような場合も、表示があるとないのでは、価格も変わってくるでしょう。

 

 

大手不動産ポータルサイト、SUUMOでも、新築分譲住宅や中古住宅等を検索する際に、BELSを取得しているかなどのチェック項目を作る予定であるとか。

現在、新築物件については、長期優良住宅や低炭素住宅、住宅性能評価を受けているかなどの絞りこみチェック項目はすでにあります。

賃貸アパートの退去理由の原因の一番は、カビ、結露、寒さだそうです。

賃貸でも省エネ、断熱性の高い空間造りは、これからは必須でしょう。

特に既存の2000㎡以上賃貸マンションなどは、2000㎡以上の省エネが義務付けされた新築賃貸マンションと差がついてくることは間違いないでしょう。

最後は、パネルデイディスカッションで終わりました。

パネリスト皆さんのお話、面白かったです。


シンポジウムのチラシPDFはこちらです。

http://www.jia.or.jp/resources/events/000/351/0000351/file/e5ae5xjK.pdf

昨年にシンポジウムの様子もweb上に動画がアップされておりますので、今年の分もそのうちにアップされるのではないでしょうか。

 

ちなみに、昨年のシンポジウムの様子は、国土交通省のホームページからみる事ができるようです。

http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000115.html

 

 

ZEHに興味があるとか、省エネの家を造りたいとか、そのようなご相談などもお待ちしております。

私は、高断熱、高気密住宅の家に住んで、すでに13年。

快適さ、問題点も、なども自分自身で体験しています。

太陽光発電システムも設置しています。

 

 

posted by 野瀬有紀子

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