SPHEREx、数百万の銀河の調査の最初のイメージを撮影
<前書き>: 3月11日に打ち上げられた NASAのSPHEREx は、分光光度計を使って全天探査を行い、0.75~5.0マイクロメートルの近赤外スペクトルを測定し、初期宇宙におけるインフレーションを引き起こした原因や、銀河の起源・歴史、また、惑星システムにおける水の起源を探ることなどが期待されている。また、ヨーロッパ宇宙機関のユークリッド、今後打上げられるNASAのナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡などとの連携も意図されている。
ハッブル宇宙望遠鏡やジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡などが宇宙の小さな領域を詳細に対象とするように設計されているのに対し、SPHERExは広い視野を持っている。その調査結果をこれらの望遠鏡の結果と組み合わせることによって、科学者達は、宇宙について、より確実に理解することができる。
この天文台は、2年間のプライムミッションの間に天空全体を4回マッピングし、分光法と呼ばれる技術を使って他の全天調査望遠鏡よりも多くの波長で数億個の星や銀河からの光を収集する。
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さまざまな赤外線波長を表すために虹色で処理されたこれらの新しい写真は、この天体物理学宇宙天文台が期待どおりに機能していることを示した。NASAのSPHEREx(Spectro-Photometer for the History of the Universe、Epoch of Reionization、Ices Explorer)は、宇宙で初めて検出器をオンにした。天文台からの初期イメージでは、すべてのシステムが期待どおりに機能していることが確認されている。これらの新しいイメージは補正されておらず、まだ科学に使う準備はできていないが、SPHERExの広い空の景色を魅力的に見ることができる。各輝点は、星や銀河のように光源であり、各イメージには 100,000 を超える検出光源が含まれていると予想されている。
上の 3 つのイメージは、下の 3 つのイメージと同じ空の領域を示している。これはこの天文台の全視野であり、満月の約20倍の幅の長方形の領域である。4月下旬に通常の科学運用を開始すると、毎日約600回の露出が行われる予定である。
<イメージの説明>: この未補正のSPHEREx露光の各イメージには、星や銀河など、約100,000の光源が含まれている。右の2つの挿入図は、1つのイメージの一部を拡大し、望遠鏡がかすかな遠方の銀河を捉える能力を示している。これらのセクションは、見やすくするために可視光色ではなくグレースケールで処理される。
SPHEREx天文台は赤外線を検出する。6つのSPHEREx検出器にはそれぞれ17のユニークな波長帯があり、6枚の画像の露光ごとに合計102色相になる。この方法で色を分解すると、オブジェクトの組成や銀河までの距離が明らかになる。そのデータを使って、科学者達は、宇宙の誕生から1秒も経たないうちに宇宙を支配した物理学から、銀河系の水の起源まで、さまざまなトピックを研究することができる。
この2週間、これまでのところすべてが順調であることを示す一連の宇宙船のチェックを実行してきた。また、SPHERExの検出器などのハードウェアは、摂氏マイナス約210度程度の極限温度まで冷却されている。これは、望遠鏡の赤外線を検出する能力を熱が圧倒する可能性があるためであり、熱放射と呼ばれることもある。新しいイメージは、望遠鏡が正しく焦点を合わせていることも示している。焦点合わせは打上げ前に行われ、宇宙で調整することはできない。
<ひとこと>: 以上は要約です。大判はイメージをクリック(タップ)。SPHERExについては本サイトの3月11日の記事も参照。
<出典>: Jet Propulsion Laboratory
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