ブラックホールは宇宙で最も魅力的なオブジェクトの一つである。膨大な量の物質を比較的小さな領域に押し込めた、巨大な密度を持つこれらのコンパクトなオブジェクトは宇宙で最も強い重力場をつくる。ブラックホールのシルエットの初めてのイメージが、最近、イベントホリゾン望遠鏡によって捕えられ公開された。2015年以降、地上ベースの LIGO と Virgo 天文台が複数の検出をまとめ、重力波天文学は今急成長する新しい研究分野である。アインシュタインの予測の他の一つ、重力による光の歪曲が1919年の皆既日食の間に実証された。ヨーロッパ宇宙機関の将来のX線天文台アテネ(Athena)は、銀河達の中心の超巨大ブラックホールを詳細に調査するだろう。他の将来のミッション、リサ(LISA)は重力波を軌道から検出するだろう。二つのミッションは現在調査フェーズにあり、2030年代早くに打上げる予定である。
<出典>: 「Space in Images;ヨーロッパ宇宙機関」
<大判>: イメージをクリック。
<ひとこと>: 上の解説はごく一部の要約です。ヨーロッパ宇宙機関は既に重力波検出天文台 LISA を打上げていますが重力波を検出したという発表はありません。重力波による振動は極めて微弱であり、地上では様々な振動によるノイズを除去するのに苦心していますが宇宙ではその心配が不要です。ちなみに LIGO (米;2カ所)と Virgo (伊)の検出器は長さ4キロメートルのL字型ですが LISA の検出器は数センチです。また、宇宙に検出器を並べることによって、巨大な口径の望遠鏡を構築することができます。