小惑星2024 YR4は、もはや大きな衝突のリスクをもたらさない
<前書き>: 先に、小惑星2024 YRが、2032年12月22日に、ほぼ99%安全に地球を通過するが、衝突の可能性を完全に排除することはできないと報告があった。この記事はその後の検討結果である。---2月3日の記事参照。
ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の惑星防衛局(Planetary Defence Office)の最新の分析では、2032年に小惑星2024 YR4が地球に衝突する確率は0.001%に減少した。
- 小惑星2024 YR4は、2032年12月22日に地球の近くを通過する。
- 過去2か月間で、ヨーロッパ宇宙機関の影響確率の評価は2.8%にまで上昇した。
- 過去数日間で、小惑星の新しい望遠鏡観測を使用して、アナリスト達は、衝突の可能性を0.001%に大幅に減らした。
- 小惑星の衝突確率の上昇と下降は、予想され理解されたパターンに従っている。
地球近傍小惑星2024 YR4は、2024年12月27日にチリのリオ・ウルタドの小惑星地球衝突最終警戒システム(ATLAS)望遠鏡で発見された。ヨーロッパ宇宙機関の「イージス」などの自動警告システムは、この物体が2032年に地球に衝突する可能性がわずかにあることをすぐに特定した。
小惑星2024 YR4は、幅が40mから90mと推定されている。このサイズの小惑星は、地球に衝突した場合、局所的な被害をもたらす可能性があるために、世界の惑星防衛コミュニティの注目を集め、国際的な小惑星対応グループの取組みを起こした。
その後の2カ月間、ESAの地球近傍天体調整センター(Near-Earth Object Coordination Centre)と他の機関は、小惑星の新たな望遠鏡観測を使って、小惑星の軌道を改良して、危険性を評価した。
当初、小惑星の可能な軌道の割合が増加すると、2032年12月22日に地球に衝突する可能性があるため、衝突確率は上昇し始めました。
2月18日には、衝突確率がピークに達し、ESAの評価は2.8%に達した。しかし、その翌日、ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡を使った観測により、衝突確率は半減した。
過去数日間、この新しい観測結果を用いて、地球の衝突につながる可能性のある残りの軌道のほぼ全てが除外された。
小惑星2024 YR4は、トリノインパクト危険度のレベル3からレベル0に低下し、大きな注意を払わなくなった。この小惑星は、もはやヨーロッパ宇宙機関のリスクリストのトップにはなく、国際小惑星警告ネットワーク(International Asteroid Warning Network)は関連する活動を終了した。
この物体の衝撃のリスクの増減は、よく理解されたパターンに従っている。小惑星の衝突確率は、最初は上昇することがよくあるが、その可能なすべての軌道を表す不確定領域が縮小して地球から遠ざかるにつれて、急速にゼロに低下する。
--- 以下略。
<ひとこと>: イメージは動画 GIF です(大判参照)。なお、関連記事は、NASA及び すばる望遠鏡 からも提供されています。
<出典>: Planetary Defence (ESA)
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