2019年5月遅く、火星の北極の氷冠の渦巻形のダストの嵐が、ヨーロッパ宇宙機関のマーズ・エクスプレスのいくつかの機器によって観測された。このイメージは、5月26日に高解像度ステレオカメラでとられ、約 2000 × 5000 キロメートルのエリアをカバーしている。この嵐の渦巻の形はコリオリの力(Coriolis force) として知られる現象、惑星の回転による大気の質量の偏りから生じる。この効果は、また、例 えば北半球のサイクロンなど低圧のエリアが時計回りの渦の形を持つなど、地球上にも観測される。しかしながら、火星の嵐は地球の嵐と比較して一般的に弱く、赤い惑星の低い大気圧は地球の地表の気圧の1パーセントより低く、地球のハリケーンの典型的な風速の半分以下である。この氷冠の渦巻くパターンがイメージの右端に見ることができる。同時に、氷冠の端に沿って、大きな火山の周辺のさらに南(左)にも薄い雲が見られる。暗い片は、地表に振りまかれた火山の素材のダストの結果である。
<出典>: 「Space in Images;ヨーロッパ宇宙機関」
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<お知らせ>:
① 今日7月31日夜、プログレス73号貨物船が国際宇宙ステーションに向けて打上げられます。宇宙ステーションとのドッキングは約3時間後の日本時間今夜深夜の予定。中継放送時刻等は ホームページの「ウェブNASAテレビ放送予定」 から。
② インドのチャンドラヤーン2号宇宙船が、7月22日に、 Satish Dhawan 宇宙センタから地球軌道に向けて打上げられました。この宇宙船の、軌道船、着陸船、ローバーは月を目的とし、軌道を制御しつつ9月初めに月軌道に入り、太陽動力のローバーを運ぶ着陸船は、月の南極近くの高緯度に、自律的な軟着陸を試みる予定です。