ヨーロッパ宇宙機関の「2022年のイメージ(Year in images 2022)」から。
これらのイメージは、2022年6月13日に公表されたヨーロッパ宇宙機関の新しいガイアデータでつくられた四つのスカイマップを示している。
1,視線速度
ガイアデータの発表3では、ミルキウェイの 3000 万超の物体(主に星)が我々に近づいたり遠ざかったりする速度(視線速度)を示している。これによって銀河の円盤の大部分のオブジェクトがどのように移動するかを確認できる。我々から遠ざかる明るい領域と近づく暗い領域が見える。視線速度が近くの環境の視線速度と異なるいくつかのオブジェクトが見える。大小のマゼラン雲(LMC、SMC)が、右下隅に明るい点として見える。射手座矮小銀河が銀河中心の下にかすかな準垂直の縞模様として見えている。小マゼラン雲の左の暗い点 47 Tucanae など、いくつかの球状星団が小さな点として示されている。
2、視線速度と固有運動
このマップはミルキウェイの ~2600 万個の星の速度場を示している。色は視線に沿った星の視線速度を示している。青は星の平均運動が我々に向かっている空の部分を示し、赤は平均運動が我々から離れてゆく領域を示す。図に見える線は空に投影された星の動き(固有運動)をトレースしている。これらの線は、星の速度の方向が銀河の緯度と経度によってどのように変化するかを示している。この画像をつくる上で明確に定義された距離を持つ星のみが選択されたために、大マゼラン雲と小マゼラン雲(LMCとSMC)は見えない。
3,星間のダスト
ガイアは私たちの銀河の星をマッピングするだけでなく、星間にあるものを教えてくれる。星の間の空間は空(から)ではなく、ダストとガスの雲で満たされ、そこから星が生まれる。ガイアは、星の位置とその分散する光を正確に測定することで、星間物質による星の光の吸収をマッピングすることができる。これらの図は、星、銀河、我々の故郷の銀河の歴史の形成の物理的メカニズムへの重要な手がかりを提供している。この図は、ミルキウェイを満たす星間ダストを示している。銀河面の中心にある黒く暗い領域は、ダストの量が少なくなるにつれて星間ダストが多く黄色に退色する領域であり、銀河面の上下の濃い青色の領域はダストがほとんどない領域である。
4,化学マップ
星をつくっているものは、それらの出生地とその後の旅、したがってミルキウェイの歴史について語っている。ガイアは銀河の化学地図をもたらしている。ガイアでは、我々の銀河のいくつかの星が原始物質でできているのに対して、我々の太陽のような星は、以前の世代の星によって濃縮された物質でできていることがわかる。我々の銀河の中心と平面に近い星は、遠くにある星よりも金属が豊富である。この全天の視界はガイアのデータリリース3のミルキウェイの星のサンプルを示している。色は恒星の金属性を示している。赤い星は金属が豊かである。
<出典>: 「2022年今年のイメージ(Year in images 2022 -ESA)」 --- リンク先から該当する記事を追ってください。
<大判>: イメージのリンク先は原画。あまりの大きく粗いので1/3にしたものを こちら から。
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