あすか塾

「あすか俳句会」の楽しい俳句鑑賞・批評の合評・学習会
講師 武良竜彦

あすかの会秀句 「霾」「映」   2024年4月26日 

2024-05-19 15:04:38 | あすかの会 2022(令和4)

あすかの会秀句 「霾」「映」   2024年4月26日   

 

 野木桃花主宰の句

灯に映えて寺の一樹の茂りかな

風神のいたづら黄砂を巻き散らす

映画館出て黄塵の街ゆがむ

大通り吹き抜く黄砂のふる日和

 

 野木主宰特選

新緑を映して眩し一途な眼       市 子

  武良竜彦特選

鑑真の開かぬ眼黄砂降る        典 子

 

 秀句 選の多かった順

戦塵の紛れ降るやも霾ぐもり      さき子

 

花曇鰡の光の大岡川          ひとみ

看板はわかば薬局黄砂降る       玲 子

 

新緑映ゆる身支度旅衣         市 子

 

ボンネットに黄砂落書きしだす指    市 子

姉の指山折り谷折り春ひと日      都 子

どの山も肩なだらかに笑いけり     さき子

映画果てエンドロールを追う日永    さき子

知恵の輪がはずれたよママ春日陰    礼 子

雪形の仔馬たちまち育ちゆく      玲 子

観音の御手に夕映え初桜        玲 子

結末の苦き映画霾ぐもり        みどり

故郷の景黄砂降る中にあり       みどり

還暦やあへて濡れゆく花時雨      みどり

 

こんなときに召集令状霾晦(よなぐもり)       かづひろ

小綬鶏や踏みつけられし天邪鬼     かづひろ

峠には首無し地蔵忘れ霜        かづひろ

げんげ田に一歩一歩の忍び足      礼 子

春夕暮映画館出る人無口        礼 子

花粉浴び黄砂を浴びて四月尽       尚

自撮りする映えスポットや春の蝶     尚

映画で観るごとき日常春愁ふ      都 子

甘茶掛け小さき仏の声を聴く      ひとみ

風光る海を映して一輌車        典 子

霾や詰襟の首こそばゆし        典 子

大陸の太古の匂ひ黄砂降る       玲 子

行く春や板碑(いたび)の文字を読み切れず    悦 子

 

花冷の寺の回廊いく曲り        さき子

霾天やこめかみあたり揉みほぐす     尚

夕映えの空に影富士長閑なる       尚

花は葉に都電の走る西早稲田      みどり

また一軒解体家屋紫木蓮        典 子

さくら餅笑み交ふ二人緋毛氈      悦 子

面映ゆげな久の二人や花の夕      悦 子

モノレールの車輪撫でてる春休み    悦 子

料峭や山坂多き永田町         悦 子

春の川目ぶ追ふ文字が曲となる     都 子

霾晦続く地震の行く末は        都 子 

降る桜蹲踞し映す奥会津        かづひろ

霾ぐもり青き扉の家ありて       ひとみ

夕映の橋行く影や暮かぬる       ひとみ

箒目の窪みにもあり霾れり       礼 子

霾ぐもり子に見えわれに見えぬ峰    市 子

 

〇 ゲスト参加句 武良竜彦

似た名前呼ばれ振向く目借時

違ふ日に逝きしちちはは黄砂降る

天に臼回す音する穀雨かな

碧眼の映画スターや春の果

 

 

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