工、其の事を善くせんと欲すれば
子貢(シコウ)、仁を為さんことを問う。
子 日わく、
工(コウ)、其の事を善くせんと欲すれば、
必ず先ず其の器(ウツワ)を利(スルド)くす。
是(コ)の邦(クニ)に居(オ)りては、
其の大夫(タイフ)の賢(ケン)なる者に事(ツカ)え、
其の士の仁なる者を友とす。
現代語訳
子貢が、仁徳の修め方を お尋ねした。
先生は おっしゃった。
大工職人が自分の仕事を上手くやろうとすれば、
きっと まずその道具を研ぐものだ。
立派な人物になることも、それと同様で、
どの国においても、その国の太夫の優れた人にお仕えし、
その士人で仁徳ある人を友とする。
仁を行うには、
まず自分を磨くよき師友を選ぶことだ。
参照
良い仕事をするためには よい道具が必要です。
同じように、
仁を行える、よき人物になろうとおもえば、
まず自分を磨かなければなりません。
そのためには 敬愛できる先輩や友人との
出会いの機会を たくさんもちたいですね。
子 日わく、
苟(イヤ)しくも 仁に志せば、
悪(ニク)むこと 無きなり。
現代語訳
先生は おっしゃった。
世の中の人びとが仁を目指して努力さえするならば、
徒らに人を拒んだり、憎むことはなくなるだろう。
参照
思いやりのある正しい言動をいつも心がけていれば、
理由もなく人を拒んだり、憎んだりすることはないでしょう。
あるいは「悪しきこと」と読んで、
悪い考えが生まれる心配はないでしょう、と
解釈することができます。
いずれにしても大切なことは、仁に志すことなのです。
仁ある人は 素敵なのです。
二千五百年経っても 変わらないのです
子貢は、31歳下の 言語に秀でた弟子だったそうです。
孔門10哲の一人です。
商売で莫大な富を築き、孔子の経済的支援者ともいわれてます。
論語 ⑲で、
{一を聞いて以て十を知る}と、
頭脳明晰な子貢でしたが、 一歳年上の 顔回を称賛してましたよね
子貢も、素敵な人物だったのだと 思いませんか!
いろんな 人物像が わかると、
難しい論語も、なんか 面白くなりますね。