死を守りて 道を善くす
子 日(ノタマ)わく、
篤(アツ)く信じて 学を好み、
死を守りて 道を善くす。
危邦(キホウ)には 入(イ)らず、
乱邦(ランポウ)には 居(オ)らず。
天下道(テンカミチ)有れば 則ち見(アラワ)れ、
道無ければ 則ち隠(カク)る。
邦道(クニミチ)有るに、
貧しくして且つ賤(イヤ)しきは、恥なり。
邦道無きに、富(ト)み且(カ)つ貴(タツト)きは恥なり。
現代語訳
先生は おっしゃった。
強く信じて学問を好み、命がけで道徳の向上に努力する。
そのためには危険な国には入らず。
乱れた国には止まらない。
国に道義があれば世に出て活動し、
道義がおこなわれていない時には、隠れて表面に出ない。
道義が失われていないのに、貧乏で、
その上に身分が低い地位にいるのは恥である。
国に道義が失われているのに、
金持でその上に高い地位にいるのは恥である。
子 日わく
邦、道有れば、言(ゲン)を 危(タカ)くし、
行(オコナイ)を 危(タカ)くす。
邦、道無ければ、行いを危くし、言は孫(シタガ)う。
現代語訳
先生は おっしゃった。
もし国に道が行われてる時には、
(自己の)信念のままに、言葉は高らかに
行動も 思いきってする。
しかし(国が乱れて)、道が行われていない時には、
行いは 厳しくして、
言葉は つつしみ深く和らげる。
参照
戦乱の世にあって、
仁徳や礼楽の重要性を説いていた孔子は、
身の処し方にも 確固たる主張がありました。
道義の失われた時には、身を引いて、
静かに 研鑽を積む。
来るべき日に 備えて
その日が来たら 存分に力を発揮する。
情熱的につき進むことも時には必要かも知れません。
魅力的かもしれません。
でも 孔子は冷静ですね。
大きなことを成すには、こうあるべきなのでしょうか。
出処進退は 難しいですね。
危険な国には 入らない
乱れた国に 止まらない
本当に、そうですよね・・・・。
このことは、現社会にも言えるのではないでしょうか!
まずは、自分の命・自分の国を大切にしてほしいです。
理想社会を めざしてた 孔子・・・。
中国も、孔子の精神を思い出してほしいものです。