ヘンリー王子が英王室を離脱して米国に移住した後、現地時間4月17日に行われたフィリップ王配の葬儀と、7月1日に行われた故ダイアナ妃の生誕60周年記念の銅像の除幕式と、単身で渡英した際に宿泊していたと言われているフロッグモア・コテージ。しかし、すでにヘンリー王子夫妻の私物は撤去されたようだ。
【写真を見る】ヘンリー王子夫妻がかつて住んでいたフロッグモア・コテージ。改装費には巨額が投じられたそう写真:SPLASH/アフロ
関係者が「The Sun」に対して明らかにしたもので、「ヘンリー王子が米国に戻って数日後には、ウィンザー城のスタッフがフロッグモア・コテージの夫妻の古い寝室から、写真立てを含む所有物をすべて片付けたようです。ヘンリー王子は、現在ここに住んでいる従妹のユージェニー王女家族の住居とは離れた場所にある、コテージの1室に滞在していましたが、その部屋は夫妻が渡米した後もそのままになっていた」とか。「荷物は船便でカリフォルニアの邸宅に送られたのだと思います」と関係者が語っており、事実であれば、2度とこの場所に滞在する予定がないことになる。
ヘンリー王子はフィリップ王配の葬儀に出席した際、コテージに宿泊写真:SPLASH/アフロ
5つのベッドルームを有するこの屋敷には、現在ユージェニー王女夫妻が住んでいるが、ヘンリー王子が2022年3月まで賃貸料を支払っているため、使用する権利がある。ヘンリー王子は、9月に改めて行われるダイアナ妃の生誕60周年の記念式典にメーガン妃とアーチー、6月4日に誕生した娘のリリベットを連れてくるという噂もある。その際に、エリザベス女王の都合のつくタイミングで、女王の立会いのもとでリリベットの洗礼式をウィンザー城にて執り行うことを希望しているともいわれており、渡英する予定はあるようだ。
家賃を払っていることやこれまでの英王室の対応から考えて、王室側が撤去を命じたとは考え難く、今後ヘンリー王子は単身で渡英することはなく、メーガン妃と一緒に英王室の敷地内には入らないという強い意志の表れなのかもしれない。 文/JUNKO
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“王室引退”直後の昨年8月、メーガン妃の“チアリーダー”と呼ばれる擁護派ジャーナリスト、オミッド・スコビー氏が、米国人ジャーナリストであるキャロライン・デュランド氏との共著として出版した「Finding Freedom(日本語版「自由を求めて ハリーとメーガン 新しいロイヤルファミリーを作る」扶桑社刊)」。その加筆改訂版(英語版)が8月31日(火)、ダイアナ元妃の命日に発売されることが明らかになった。
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昨夏の流産や今年3月に放送された暴露インタビューの舞台裏も
「Finding Freedom」の初版が出版されたのは昨年の8月11日。2人が出会った2016年から世界に衝撃を与えた“王室引退”の2020年前半までを綴って世界の話題をさらった。今回の加筆改訂版では“王室引退”で“フリーダム(自由)”になってからもメディアの注目を集め続けた激動の1年が追加される。
本書を出版するハーパー・コリンズ社のウェブサイトによると、加筆改訂版には米国移住と昨年11月に妃が米紙「ニューヨーク・タイムズ」に発表した手記で明らかにされた昨夏の流産、今年3月に放送された暴露インタビューの舞台裏や、フィリップ殿下の訃報に接した王子夫妻の傷心などが綴られているという。
さらには「米国で関わった慈善活動やビジネス、そして(夫妻が立ち上げた慈善団体)アーチウェルの将来」なども網羅されおり、大きな話題になったネットフリックスやスポティファイとの契約にも踏み込んだ内容のようだ。
また発売日は8月31日。奇しくもヘンリー王子の母、ダイアナ元妃が1997年の仏パリで非業の死を遂げた命日だ。偶然とは考えにくい日付だけに、実際の内容に関する注目度はにわかに上昇している。
(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)
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ヘンリー王子とメーガン妃は2020年12月31日、財団「アーチウェル」のウェブサイトを開設。トップページには当時2歳のヘンリー王子を肩車するダイアナ元妃、幼い頃のメーガン妃を抱き寄せる実母ドリア・ラグランドさんの写真が使用されている。この写真使用をめぐり、“民衆のプリンセス”として愛される元妃の威光を商品化しているとの批判を浴びている。
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一般人も痛烈批判 王室専門家は「ウイリアム王子は心配しているはず」とコメント
ヘンリー王子といえば、「母を失い、今では同じパワフルな集団が妻に被害を与えるのを見つめている」と語り、パパラッチと英タブロイド・メディアに対する強い敵意を隠さなかったことで知られる。しかし、メーガン妃と設立した財団のウェブサイトでメッセージとともに亡き母との写真を使用。先日は英司会者のピアーズ・モーガン氏が「ここには父が不在である」として批判の口火を切ったが、次は写真の使用自体について是非を問う声が噴出している。
英大衆紙「デイリー・エクスプレス」が掲載した記事によると、英ラジオ局「TalkRADIO」のパーソナリティ、ケヴィン・オサリヴァン氏が写真の使用について「ダイアナ元妃のレガシーを使って金を稼いでいる」と発言。メディアの取材攻勢を批判したヘンリー王子が、世界的に有名な亡き母のイメージを使用したとして痛烈に批判した。
また同氏は「基本的にサセックス公爵(ヘンリー王子)夫妻は元ロイヤルであること、そして王家とのコネクションを荒々しく金銭化している」とも語り、昨年9月に米動画配信大手「ネットフリックス」と、そして12月にスウェーデンの音楽配信大手「スポティファイ」と相次いで結んだ大型契約も批判した。
さらには一般リスナーからも“タブロイドが新聞を売るためにダイアナ(元妃)を追ったのも、ハリー(ヘンリー王子の愛称)が自分のプロジェクトのために母を利用したのも結局は同じこと”などといった内容の痛烈な批判が投稿された。
また英大衆紙「デイリー・ミラー」は、王室専門家フィル・チャールズ氏のコメントを掲載。同氏はウイリアム王子について、元妃の写真が使用されたことを「心配しているはず」と述べ、パパラッチの過激取材が生んだ悲劇でこの世を去った母のイメージを、弟夫妻がこうした形で利用したことに心を痛めていると推測した。
先にはネットフリックスオリジナルドラマ『ザ・クラウン』シーズン4をめぐり、元妃の描かれ方に沈黙を守ったことでも一部から批判を受けたヘンリー王子。今回は財団のコンセプトに合わせたメッセージと写真の使用ではあるが、英国内には“拒絶反応”が現れているようだ。また、元妃の生誕60周年に当たる今年は、誕生日の7月1日にケンジントン宮殿で銅像の除幕式も予定されている。ヘンリー王子の動向はまだまだ注目を集めそうだ。
(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)
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優秀な兄ウイリアム王子にコンプレックスを抱き続けているという
「レディ」の称号を持ち、ダイアナ元妃と深い親交があったことで知られる王室作家のコリン・キャンベル氏が、“王室引退”したヘンリー王子を改めて考察。王子は「次男シンドローム(第2子症候群)」であると指摘した。優秀な兄ウイリアム王子にコンプレックスを抱き、母ダイアナ元妃に溺愛された結果、エゴを膨らませていったのではないかと分析している。英紙が伝えている。
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ヘンリー王子は、常に兄ウイリアム王子に引け目を感じていたのだろうか。英大衆紙「ザ・サン」が掲載した記事によると、キャンベル氏はヘンリー王子が「次男シンドローム」であると指摘。「大人になったハリー(ヘンリー王子の愛称)にとって、次男コンプレックスが最大の苦しみとなったのです」と語っている。
キャンベル氏は、プロトコルが弱まる現代になるにつれ、王室メンバーの「エゴも強くなる傾向がある」と前置きした上で、王室の儀礼に反抗する傾向もあった母ダイアナ元妃が次男ヘンリー王子のエゴを「大きくした部分もある」と指摘した。キャンベル氏はこれまでに王室関連本を6冊著し、そのうち2作はダイアナ元妃に関する著作。ダイアナ元妃との関係が深かっただけに、説得力がある。
「ダイアナ(元妃)はかつて、私に何度も『ハリーは私に似て少し楽天的すぎるところがある』と言っていました。そうしたハリーをダイアナは自由にかわいがり、甘やかして育ててしまいました」とキャンベル氏は明言。ヘンリー王子の“身勝手さ”は、自分に似たところがあると感じた母の溺愛にもあったと分析している。
ダイアナ元妃が存命ならば、そんなヘンリー王子を説得できる唯一の存在となっていたと思われる。しかし、無念なことに1997年の“パリの悲劇”で他界。12歳で最愛の母を失ったヘンリー王子は「人は自分の言うことを何でも聞いてくれる」と思い込んでしまい、そのままエゴを膨らませていったのかもしれない。そして成長するとともに、兄ウイリアム王子の優れた人間性と自分の振る舞いが比較され、兄との関係に苦しむことになったのではないか。
“2番目”であることに苦しんでいたヘンリー王子が知り合ったのが、上昇志向が強く、裸一貫から女優として成功を遂げていたメーガン妃。ハリウッド仕込みの決断力と自信にあふれた米国人女性をパートナーに選び、婚約から挙式にかけて2人の人気は一時沸騰した。しかし、それ以降はウイリアム王子とキャサリン妃夫妻との“不仲”が進み、“王室引退”につながっている。
キャンベル氏はまた、8月11日に発売される伝記「Finding Freedom(自由を探して)」の著者に対してヘンリー王子とメーガン妃が「まったく協力していない」と公言していることについても「一般をバカにしている」と断じている。
(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)