ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.09.20 10:15
トランプ大統領夫妻が英ロンドンのバッキンガム宮殿を訪問した当時の写真。アン王女(一番左の青い円の中)がトランプ大統領を注視している。 写真=ユーチューブ キャプチャー https://www.youtube.com/watch?v=CnQ9dddBWAk
年に約400回。今年72歳の英国のアン王女が10代後半から毎年、王室の代表として主管または出席してきた行事の数だ。
故エリザベス2世女王が産んだ4人のきょうだいで唯一の娘のアン王女はスコットランドのバルモラル城からロンドンまで運柩行列を守った。
車に6時間、飛行機に2時間乗る旅程だったが、息をつく間もなくスコットランド行きの飛行機にまた乗ったという。
グラスゴーで開かれる小さな定例行事に出席するためだった。
スコットランドの独立の意志を挫いて英国の一員として結束を固めるために数世紀間続いている行事だが、それほど重要な行事ではないという。
キャンセルしても支障はなかったという。しかしアン王女は行事に向かった。彼女の性格をそのまま表している。
ニューヨークタイムズ(NYT)は14日(現地時間)、「過去にも小規模な領地を持つ領主がしてきた義務的行事」とし「しかしアン王女は数十年間、この行事を主管しながら一度も不平を言わなかった」と伝えた。
続いて「チャールズ3世国王は今後、王室関連の業務を処理するうえで、アン王女により一層頼ることになるだろう」と付け加えた。
エリザベス2世の空席の相当部分をアン王女が「大人」として代わりにすると予想される。
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の右腕であり妹の金与正(キム・ヨジョン)労働党第1副部長が活躍するのを連想させる。
アン王女は葬儀で終始、公共場所で感情を表すことを美徳としない英王室の法度に忠実だった。
その彼女も霊柩車の後に続いた車の中では涙があふれそうな姿がカメラに映った。
ガーディアンやITVなど英国メディアは「エリザベス2世は感情に流されない落ち着きを優先し、その点を最もよく受け継いだのがアン王女」と評価している。
エリザベス2世は時には冷たい人間という批判を受けた。1997年にダイアナ元妃の事故死から5日間沈黙を続けたのが代表的だ。
しかしアン王女はその後、ヴァニティーフェアのインタビューで「5日後に声明を発表したのは王室の法度に従ったものであり、母は残りの家族の安危を心配した」と擁護した。
アン王女本人も一時は冷笑的な態度のため現地メディアから「無礼な王女殿下(Her Royal Rudeness)」と呼ばれたりもした。
華やかさとは距離がある。
ツイードの膝下まで覆うスカートなど一定のスタイルを守り、チャールズ3世とダイアナとの結婚式に着たドレスをその後の別の王室行事に着て現れたりもした。
ファッション誌ヴォーグ(Vogue)は「持続可能性という言葉が流行する前からすでにそのようなファッションを実践した人物」と評した。
父フィリップ殿下の冷笑的なユーモア感覚と母の合理的な性格と責任感を幅広く受け継いだという評価を受ける。
そのような彼女にも息を抜くところが必要だ。乗馬がその一つだった。
彼女は英国の王族の中では初めてオリンピック(五輪)に乗馬選手として出場した。メダルをかけることはできなかったが、英国国内の乗馬大会では1位になった記録もある。
彼女は過去に英メディアのインタビューで「王族として暮らすというのは塀に囲まれているということ」とし「それだけになおさら馬を乗ってその塀の外を眺めながら呼吸をすることが必要だ」と話した。
彼女は乗馬選手だったことで国際オリンピック委員会(IOC)委員としても活動している。
2018年平昌(ピョンチャン)冬季五輪と縁が深い故ジャック・ロゲIOC委員長をバッキンガム宮殿に招待したりもした。
今でもIOC内で委員選出委員長という要職を担当している。
ある北米圏のIOC委員は記者に「言葉でなく行動で引き受けたことを着実にする方」と評価した。
しかし乗馬は彼女に悪い縁も残した。
最初の夫マーク・フィリップスが同じ乗馬選手であり、1988年ソウル夏季五輪で銀メダルを獲得した人物だが、不倫のため結婚は破局を迎えた。
アン王女はその後、エリザベス2世の護衛業務を担当していたティモシー・ローレンスと再婚した。
強い性格は英国内外でも有名だ。ドナルド・トランプ前大統領が在任中に英国を訪問してエリザベス2世と王室の家族に会った時、アン王女は握手を拒否した。
1974年の拉致未遂事件では自分の車を阻止して降りろという犯人に「そんなことはできない(Not bloody likely)」と言い返した。
彼女は2020年、ヴァニティーフェアのインタビューでこのように語った。
「私はただ王室の写真の後ろの列に立つ古くて難しい人間だが、それでも若い世代が王室をあまりにも早く変えないことを望む。
人生では長く繰り返されてきた基本と基礎が重要だから」。
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5/1(月) 7:23配信
バイデン米大統領
来月6日に開かれる英チャールズ国王の戴冠式にバイデン米大統領が不参加を決めて議論が起きている。
BBCが先月29日に伝えたところによると、バイデン大統領は同月4日のチャールズ国王との電話で戴冠式に出席しない考えを伝えた。
代わりにジル夫人が出席することにした。
ホワイトハウスはバイデン大統領の戴冠式欠席の理由については特に言及していないが、「バイデン大統領が戴冠式後に英国を訪れチャールズ国王に会いたいとの意向を伝えた」と明らかにした。
こうした知らせを受け英国では「バイデン大統領が英国王室をないがしろにしている」という批判が出てきた。
これと関連し、ボブ・シーリー英下院議員(保守党)は「一生に一度あるかという行事に出席しないのはとてもおろそかにした処置」とテレグラフに話した。
アイルランド系のバイデン大統領の民族的ルーツが戴冠式欠席につながったという見方もある。
ジャーナリストのラッセル・マイヤーズ氏はスカイニュースに「バイデン大統領はアイルランド系米国人のルーツをとても誇りに思っている。
そのため戴冠式に来る可能性はない」と話した。
バイデン大統領は母親がアイルランド系で、父親もアイルランド系の血が入っている。アイルランドは英国に800年間植民支配され悪感情が根深い。
こうした歴史的関係からバイデン大統領が反英感情を出しているという主張だ。 しかし多くの専門家はこの数世紀にわたり英国の戴冠式に参加した米国大統領は1人もいなかっただけに、バイデン大統領も単純に慣例を受け継いだものと分析した。
アメリカン大学歴史学科のローラ・ビアーズ教授は「1837年にビクトリア女王が即位した当時、英国の君主制は米国人の間で好感を得た。それでも当時のビューレン米大統領は戴冠式に行かなかった」と話した。
続けて「当時(交通事情など)現実的に難しい部分があったが、その後米国大統領の戴冠式欠席が慣行になったようだ」と説明した。
米大統領は1939年に大西洋を横断する空路が開かれるまで欧州訪問が容易ではなかった。
しかし航空交通事情が良くなった1953年のエリザベス女王の戴冠式にも当時のアイゼンハワー大統領は参加しなかった。
これに対しては韓国戦争(朝鮮戦争)が終わっていない状況でホワイトハウスを空けることができないという理由が大きかったとの評価が出ている。
一方、今回の戴冠式に中国が韓正副主席を派遣するだろうというニュースに英国政界では「無礼だ」との反応が出ている。
韓副主席は香港が中国に返還される前に英国と結んだ「自治権保護」の約束を無視し2019年に香港で大規模反政府デモが広がると武力鎮圧と香港国家保安法導入を主導した責任者であるためだ。
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最終更新:5/1(月) 7:23中央日報日本語版
猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
(写真:ロイター/アフロ)
昨年末、自分たちについてのドキュメンタリーシリーズ「ハリー&メーガン」で話題を集めたメーガン妃とハリー王子が、次の企画を決めたようだ。
今回も、夫妻の会社アーチウェル・プロダクションズとNetflixの共同製作。
2社は複数作品の製作契約を結んでおり、「ハリー&メーガン」は、その1本目だった。
「Daily Mail」が報じるところによれば、今度もまたドキュメンタリーで、夫妻の慈善活動を追うものになるようだ。
具体的には、夫妻が南アフリカの複数の村を訪ね、現地の人たちに安全な出産について教えていく様子をカメラでとらえるとのこと。
ある関係者は、「Daily Mail」に対し、「メーガンは、自分が出会う女性たちに、安全に出産するための情報を教えてあげたいと強く願っています」と語っている。
夫妻は2019年、長男アーチー君を連れて、ロイヤルツアーで南アフリカを訪れている。
このニュースを受けて、ソーシャルメディアには多くの反応が寄せられた。
そのほとんどはネガティブだ。
「なぜこのふたりは他人にああしろこうしろと言える権利があると思っているわけ?」「メーガンはいつから産婦人科医になったの?」など、そもそもこのふたりにその資格があるのかと疑問を投げかけるものや、
「1日訪問してちょっとお金をもらって、1年間のPRに使う」というような皮肉、また「南アフリカは複雑な国。これはすごくズレた、上から目線の行動だ。
ほかの国に行くなら、自分たちがそこから学ぶようにするべき」「白人の救世主ってやつか」などという冷静な批判もある。
だが、一番目立つのは「自分で産んだこともないのに」「一番安全なのは代理母を使うことだよね」というコメントだ。
ソーシャルメディアでは以前から、妊婦だった頃のメーガン妃の様子が不自然だとの指摘があったのである。
たとえば、お腹がとても大きいのにハイヒールを履いてしゃがんだ写真や動画は、その代表的なもの。
また、あるイベントに到着した時と帰る時の写真を並べ、微妙に違うお腹の大きさを比べる投稿もあった。
それらの“証拠”から、メーガン妃は代理母を使って出産しており、あのお腹は偽物だったという説が、まことしやかに語られてきているのだ。
「代理母を使ったことがバレそうになっているから、彼女は状況をコントロールしようとしているんだよ。
でも、これで余計に悪化すると思う。
彼女がやるべきなのは、真実を告白して、それについての番組を作ること。でも彼女はそうしない。
最終的にバレたら王室のせいにするんでしょう」と、ある人は投稿。
もちろんそれは憶測に過ぎないが、全体的に見て、このドキュメンタリーが歓迎されていないのは明らかだ。
だが、「ハリー&メーガン」もとことん批判されながらアクセス数だけは大きく稼げたことを思えば、ビジネス的には意味をなすのだろう。そして今回も結局、人はけなしたいがために見るのかもしれない。
メーガン妃は大手タレントエージェンシーと新たに契約
ところで、メーガン妃は先週、ハリウッドの大手タレントエージェンシー、ウィリアム・モリス・エンデヴァー(WME)と契約を結んでいる。
しかも、CEOのアリ・エマニュエルが直接彼女の担当をするという力の入れようだ。
WMEのツイートによれば、映画やテレビの製作、ブランドのパートナーシップなど、あらゆる側面からメーガン妃のビジネスのお手伝いをするとのこと。
ただし、女優としての活動には力を入れないという。
このニュースはあちこちのメディアに取り上げられ、かなり話題を集めた。
しかし、チャールズ国王の戴冠式の前というタイミングで発表されたことには、疑問の声が聞かれる。戴冠式はハリー王子がひとりで出席することになり、メーガン妃はふたりの子供たちとカリフォルニアに残ると決めたが、彼女は自分に注目が集まるようにして邪魔をしたかったのではないかというのだ。
一方で、ハリー王子は、ネタ集めが必要なこと、また王室とつながっていることがブランドにとって重要であることから、ひとりでも出席するのではないかとささやかれている。
だが、戴冠式が終わればすぐにまた飛行機に乗ってカリフォルニアに戻り、アーチー君の誕生日パーティに参加する予定とのことで、果たしてどれだけのネタを集められるものかは不明だ。
その限られた時間に、父子、あるいは兄弟の間には、何かドラマが起こるのか、あるいは起こらないのか。カリフォルニアで留守番をするメーガン妃は、どちらを期待しているのか。
いずれにせよ、チャールズ国王の重要な日は、やはりなんだかんだとこのふたりにかき乱されそうである。
記事に関する報告
L.A.在住映画ジャーナリスト
神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「シュプール」「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「週刊SPA!」「Movie ぴあ」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイ、ニューズウィーク日本版などのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。
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