戴冠式に出席したヘンリー王子(ロイター)
2023年5月7日 13:24東スポWEB
6日に英国で行われたチャールズ国王の戴冠式で注目されたのがヘンリー王子の口元だった。英デイリー・メール紙によると、王室ファンの間である疑惑がささやかれているという。
回顧録「スペア」の出版などでヘンリー王子は英王室と確執を生んでいた。そんな最中の戴冠式出席ということで英国中がヘンリー王子の動向を注目していた。
同紙は「王室ファンはヘンリー王子がウェストミンスター寺院で『ゴッド・セイブ・ザ・キング』を歌うのをやめたと確信している」と報じた。「ゴッド――」は英国の国歌。チャールズ国王がヘンリー王子らの前を通り過ぎる間に歌われていたものだった。
SNSではこの件について議論が噴出。同紙はいくつかのツイッターユーザーのコメントを紹介している。
「ヘンリーは国歌を歌っていない」と指摘する書き込みがあれば、「ヘンリーは国王への忠誠を誓うことも、国歌を歌ったこともありませんでした。
では、彼がそこにいる意味は何だったのですか」と疑問を投げかける意見もあった。
同紙サイトではその時の映像が見られるが、確かに他の出席者の口は動いているのに対して、ヘンリー王子は歌っていないように見えなくもない。
ヘンリー王子は戴冠式終了後、空港に直行。父親とのわだかまりはとけていないということか。
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選択を迫られるヘンリー王子(ロイター)
2023年4月27日 14:35東スポWEB
5月6日のチャールズ国王戴冠式を目前に控えて、ヘンリー王子は父親の国王か、妻のメーガン妃のどちらに忠誠を尽くすか、厳しい岐路に立たされていると、王室評論家のダニエル・エラーゼ氏が指摘した。26日に英紙エクスプレスが報じた。
問題は王子の英国滞在時間。一部では戴冠式後にすぐ商用便に乗って急いでカリフォルニアに戻り、息子アーチー王子の4歳の誕生日を祝うのではと報道されている。
しかしエラーゼ氏は、戴冠式は「国王の生涯で最も重要な週」と表現しつつ、戴冠式後もフロッグモア・コテージに残って今後の関係修正を考えて父親をサポートするか、父親や家族、国民の多くに背を向けて急いで米国に帰り、息子を幸せにするかの選択を迫られており、それは「地獄の選択のようなものだ」と語っている。
ある意味「踏み絵」を突きつけられたということだろう。
同氏は「画期的に歴史的な日に、ヘンリー王子があまりにも速く走り去ったと認識されれば、国王や他の王室メンバーは侮辱されたと感じるかもしれません」とも語っている。
しかしヘンリー王子は自身が裁判中の新聞社が、ウィリアム皇太子に1億6600万円の示談金を払っていたことを弁護士が暴露したばかり。
戴冠式で冷遇されることが分かっているだけに、まさに苦痛の選択を強いられることになる。
父親のチャールズ国王か、メーガン妃と子供たちか。ヘンリー王子はどちらに「忠誠」を尽くすのか。
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コリン・ジョイスEdge of Europe
2023年01月18日(水)18時25分
英ヘンリー王子の回顧録は確実に売れるだろうが…… PETER NICHOLLS-REUTERS
<これまでさんざんメディアによるプライバシー侵害を非難してきた英ヘンリー王子だが、回顧録で英王室の内情を暴露し、タブロイドと全く同じことをしてみせた>
英ヘンリー王子は、いうなれば「シェリー・ブレア症候群」を重症で患っているようだ。
主な症状は、メディアによるプライバシー侵害を延々非難すること、それでいて自分が本を売ることになったら耐え難いほどにプライベートな詳細を暴露すること。
シェリーの場合、その暴露話の中には、夫であるブレア元英首相と共に女王との面会でバルモラル城に滞在していた際に、いかにして第4子がデキてしまったか、が含まれる。
ヘンリーの場合は、割礼を施されたこと、パブの裏手の野外で童貞を喪失したこと、性器が凍傷になったこと、マリフアナを吸ったこと......などだ。
これは単に「赤裸々すぎる情報」に値するだけでなく、どれか1つでもメディアによって報じられていたとしたら間違いなく彼自身が激怒していたであろう内容だ。
ヘンリーの回顧録は確実に売れる。こうした詳細のおかげというより、この本が読者に英王室、特にチャールズ国王やカミラ王妃、ウィリアム皇太子らの内情をのぞかせてくれるからだ。
言い換えれば、ヘンリーは自身がさんざん非難してきたタブロイドがやってきたことと全く同じことをしている。人のプライベートを売って金を稼いでいるのだ。
彼がこれまで聖人ぶって、メディアを矯正させることこそがわが人生の使命、という態度を取ってさえいなければ、僕たちだって「切り売りするのは彼自身の話だからいいじゃないか」と思えたかもしれない。
もちろんヘンリーの望みは、他のセレブや有力者だって常に望むもの――自分に従順なメディアだ。彼らはメディアを必要とするが報道内容はコントロールしたい。好意的な話だけで頼むよ、というわけだ。
だが、批判的視点とは無縁のメディアは、自由報道の機能を果たしていないことになる。
例えば王位継承順位3位の人物(当時はそうだった)が違法薬物を使用していることを新聞が報じていたら、それは報道機関としてのまともな仕事をしたということにほかならないだろう。
次いで健全なメディアなら、(若者にこれだけ使用が広がっている現状を踏まえて)マリフアナ合法化の是非についても議論を発展させるだろうし、並外れた特権階級で「ロールモデル」であるべきヘンリーが法に従うことに特に強い責任を負うのだろうか、あるいは彼を大目に見てやるべきだろうか、と論じることだろう。
今さら人種差別を否定しても
当然ながら、ヘンリーと妻メーガン妃に対する世論はさまざまだ。
でも典型的な見方としてはまず、ヘンリーは視野が狭すぎる。例えば、結婚当初提供されたコテージに不満を漏らしたことは、自分がいかに並外れて恵まれているかという認識が不足していた。
次に、彼は多くの家庭にとっては些細なけんかや不和は付き物で、「身内の恥をさらすな」が世間の常識だということを理解していないようだ。
彼が家族と和解したいと言いながら、確実にその道を閉ざすことを実行しているのは、矛盾しているようにしか見えない。
ヘンリーは全てをさらけ出すことでカタルシス効果があるという信念のもとに行動しているようだが、これはむしろイギリスの精神に反するし、どちらかといえばアメリカ的な考え方だ。
おそらくそれこそが彼の目指すところ――英王室から脱皮して違う人間になろうとしているのだ。
それから、ヘンリーとメーガンは事実認識が甘い傾向がある。
例えば、メーガンは2人があの盛大な結婚式の3日前にプライベートな式を挙げて正式に結婚していたと主張した。
でもそれは間違いで、単なる非公式の誓いの儀式だった。
彼女はまた、彼らの息子アーチーが王子の称号を与えられなかったのは冷遇であり、彼女の人種のせいではないかと話した(でも実際には、ヘンリーの継承順位から見て王室の基準にのっとった措置だった)。
さらにヘンリーは回顧録の中で、曽祖母エリザベス王太后(エリザベス女王の母)の訃報を寄宿学校にいた時に電話で知らされたと「回想」しているが、記録によれば当時、彼は父と兄と一緒にスイスにスキー旅行に出かけていた。
誰しも間違いは犯すものだが、他人をおとしめるような形で物事を回想する傾向があると、語り手の意図にも話全体の信憑性にも疑いの目が向けられる。
例えばメーガンが米司会者オプラ・ウィンフリーに話した衝撃的な暴露の1つに、ある「高位の王族」が、夫妻の子供の誕生前に子供の肌の色はどうなるだろうと言っていたというものがあった。
それはあたかも、子供が黒すぎないといいのだが、というギョッとするような願望を意味しているように思える。
この事実が明かされた当時、黒人を含む多くの人々が、生まれてくる子供が両親のどちらからどんな特徴を受け継ぐかと思いを巡らすのはごく普通のことじゃないか、と感じた。
今になって、ヘンリーはこの話を蒸し返し、この発言が人種差別的なものとは思っていないと語っている。
だが既に、人種差別的発言だとする考え方は世間に広まり、いつまでも尾を引き、英王室に損害を与えてきた。
結局はこの件も、ヘンリーとメーガンが声高に告発したい「不当な扱い」とやらの信憑性に疑問を投げかけることになってしまったのだ。
プロフィール
コリン・ジョイス
フリージャーナリスト。1970年、イギリス生まれ。92年に来日し、神戸と東京で暮らす。ニューズウィーク日本版記者、英デイリー・テレグラフ紙東京支局長を経て、フリーに。日本、ニューヨークでの滞在を経て2010年、16年ぶりに故郷イングランドに帰国。フリーランスのジャーナリストとしてイングランドのエセックスを拠点に活動する。ビールとサッカーをこよなく愛す。著書に『「ニッポン社会」入門――英国人記者の抱腹レポート』(NHK生活人新書)、『新「ニッポン社会」入門--英国人、日本で再び発見する』(三賢社)、『マインド・ザ・ギャップ! 日本とイギリスの〈すきま〉』(NHK出版新書)、『なぜオックスフォードが世界一の大学なのか』(三賢社)など。
2023年05月08日11時33分
「めざまし8」はイギリス王室の戴冠式が行われた現地を独自取材。8日(2023年5月)の番組内でウェストミンスター寺院での式典の様子やイギリス国民の反応を伝えた。
番組がまず注目したのは、長くて重たい新国王のローブの裾を持つ、ウィリアム皇太子の長男・ジョージ王子(9)。
王室専門誌「マジェスティ」名誉編集長のイングリッド・スワード氏によるとジョージ王子自身がこの大役を志願したという。理由は「いつも一枚上手で自信満々の妹のシャーロット王女にいいところを見せたくて」だそうだ。
英国で国王戴冠式が(写真はイメージ)
谷原俊介「どうでしょう、このヘンリー王子の周辺」
英国王室ジャーナリストの多賀幹子氏は、この戴冠式を通じてイギリス王室は「3世代で安泰」をアピールしたと分析。チャールズ国王、そしてウィリアム皇太子(王位継承順位1位)、そしてジョージ王子(順位2位)と続く、継続性と安定性を強調したということだ。
もう1つ注目したのが、王位継承順位5位のヘンリー王子(妻のメーガン妃は欠席)の式典での席。
チャールズ国王の妹・アン王女の帽子の飾りで前方が見えづらいようにも見え、一部の海外メディアは「ヘンリー王子の視界がアン王女の大きな羽により遮られ、戴冠式でまたしても冷遇」と報じたという。
風間晋(フジテレビ解説委員)「場所的に微妙。継承順位5位という割には、ちょっと後ろじゃないかと。
ちなみにアン王女が16位なんですよね。とはいえ、ファミリーメンバーエリアの中にはなんとか入っているという。付かず離れずみたいな距離感が今の王室を物語っているのかな」
一方で、戴冠式当日にメーガン妃の友人がアーチー王子が故ダイアナ妃の写真に触れている様子を撮った画像をSNSに投稿し、SNSでは「わざわざこんなことしなくても...」と批判の声も上がっているという。
MCの谷原章介「メーガン妃でもヘンリー王子でもなく、メーガン妃の友人が当日に...ってことなんですよね。どうでしょう、このヘンリー王子の周辺」
古市憲寿(社会学者)「色々詮索とかされて大変ですよね。王族・皇族の方たちはたまたまその家に生まれただけで、生涯が制限されてしまう。
自由がないっていう状況はさすがに民主主義の国ではなかなか無理があるのかなと思う。
若い世代ほど王室に対する関心が下がっている中、イギリスの立憲君主制ってどこまで持続可能なのかなとも思う」
式典では多様性やスリム化も貫き「新しい王室」をアピールしたというが、人気者・エリザベス女王亡き今、イギリス王室はどうなっていくのだろうか。
(ピノコ)