鮎川玲治の閑話休題。

趣味人と書いてオタクと読む鮎川が自分の好きな歴史や軍事やサブカルチャーなどに関してあれこれ下らない事を書き綴ります。

埋もれた軍歌・その4 「青島落城」

2012-02-03 21:54:38 | 軍歌
今日も今日とて軍歌紹介です。連続ですなー。
…しかしまあ、「埋もれた軍歌」なんて難儀な名前をつけてしまったものです。一体何をもってして「埋もれた」と言うのか。
とりあえずはよほどメジャーな曲で無い限りはこのシリーズで載せることをご容赦ください(笑)

で、今回ご紹介するのは「青島落城」。某踊るシリーズの主人公ではなく、「ちんとう」と読む大陸の地名です。
詳しい説明は省きますが、第一次世界大戦のときの事を歌った歌ですね。作詞・作曲共に不明です。

 青島落城

一 雄図くだけて二十年 怨(うらみ)はふかし独逸国
   攻め寄す天兵(てんぺい)馬肥えて 膠州湾上秋高し
  東洋平和の名に隠れ 山東省の一角に
   築く不落の城砦を 命と頼みし甲斐もなや
  よし敵砦(てきさい)はかたくとも よし敵兵は強くとも
   海陸ともに呼応して 打ち出す砲煙雲を捲(ま)き
  ふるや霰(あられ)の玉だすき 一度に進む決死隊
   天地にとどろく萬歳の 声にひらめく日章旗
二 難攻不落と独軍の かねて誇りし青島(ちんとう)も
   正義の砲火に砕かれて 今や日本の手に帰して
  刃(やいば)も冴ゆる霜月(しもづき)の 七日の朝の海風に
   我が日の旗は山東の 膠州湾を掩(おほ)ひたり
  二十年来忍びたる 遼東還附(りょうとうかんぷ)の血涙(けつるい)も 
   今日おし拭ふ心地よさ 天高うして気は澄めり
  祝へや祝へ此の勝(かち)を 友邦英の国民も
   共に祝へやこの勝を 萬歳、萬歳、萬々歳


…うん、いや、もう…なんていうか、ね。こりゃ駄目ですよ。「怨はふかし独逸国」「友邦英」とか。
日独伊三国同盟どころか日英同盟の解消からこっち、もう歌えませんな。これは。
それにしても、この歌詞を見ると当時のドイツ観がありありと分かりますね。そうか、そんなに三国干渉が悔しかったか…。