鮎川玲治の閑話休題。

趣味人と書いてオタクと読む鮎川が自分の好きな歴史や軍事やサブカルチャーなどに関してあれこれ下らない事を書き綴ります。

埋もれた軍歌・その5 「頌建国歌(建国を讃へる歌)」

2012-02-04 23:51:27 | 軍歌
今回紹介する軍歌(というより愛国歌?)は、これまでのものとは幾分毛色が違います。
それもその筈で、以下にご紹介するのは「満州国の歌」なんですね。
題名は「頌建国歌」。「建国を讃へる歌」との邦訳がついていますが、作詞作曲は不明です。

 頌建国歌                   建国を讃へる歌

一 燦爛的日光 普照着萬方      一 あまねきや光の如く
   喜気瀰縵着 在大地的面上        喜びは地にあふれん
  極東的新興国前途無量          極東に国は興りぬ
   本着共存共栄的意向            共栄のために
  去建設 去建設               建設へ建設へ
   臨行切莫設脚難揚             足音高く

二 紅日的威光 照偏了穹蒼      二 碧空行くや日輪のごと
   八方的公魔 都急急的躰蔵        障る者皆ふしなびき
  極東(的)新興国前途無量         極東に国は興りぬ
   本着共存共栄的意向            共栄のために
  去建設 去建設               建設へ建設へ
   全憑雙手把狂瀾攩              諸手を伸べて


途中で括弧がつけてあるのは、本来の文には欠けているけれども本来ここにはこの字が入ったんじゃないか?ということです。
歌うんだったら一番と二番で音節が違うのはおかしいですものね。
内容としてはまさしく満州国…という感じです。むしろ面白いのは、原文だと満語(中国語)の歌詞に全てカタカナで発音のルビが振ってあることです。日本人が満語で歌うことを想定してるんですね。まあ日本の軍歌集だからそりゃそうなんですけど。