鮎川玲治の閑話休題。

趣味人と書いてオタクと読む鮎川が自分の好きな歴史や軍事やサブカルチャーなどに関してあれこれ下らない事を書き綴ります。

澁澤龍彦「秘密結社の手帖」を読む

2010-05-02 21:54:43 | 書籍
今回もご多分に漏れずブックオフの105円棚から見つけてきた河出文庫版です。表紙にアブラクサスの護符をあしらったシンプルなデザインですが、個人的には澁澤龍彦の作品にはこの版がしっくり来ますな。最近の文庫版の極彩色な表紙はどうも趣味に合わないというか…。
閑話休題。文章としての初出は昭和40(1965)年と古い本ですが、年月の差をものともしない澁澤龍彦の文章はさすが見事です。内容もグノーシス派やフリーメーソン、薔薇十字団といったメジャー(?)なものからキュベレー女神の密儀、クロアチアの「ウスタシ」党、イスラームのヌサイル派にいたるまで古今東西の政治的・宗教的・遊戯的結社を(まあ東洋分が少ないとかイルミナティなどの結社が載っていないとかの瑕疵はあるにせよ)網羅したすばらしいもので、現在でもこれ程の内容をここまで簡潔かつ明瞭に述べた本は無いのではないでしょうか。
ちなみにこの本は澁澤龍彦の他の二つの著作「黒魔術の手帖」「毒薬の手帖」と共に「手帖三部作」を成しています。鮎川は以前に「黒魔術~」も入手していますので、あとは「毒薬~」を入手すれば三部作を網羅できるわけです。さて、早くブックオフに出てきてくれないものか…(マテ

ところで先ほどマイナー結社として取り上げた「ウスタシ」ですが、pixivで検索したら2件イラストが見つかりました。ネットは広大だわ……。

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