鮎川玲治の閑話休題。

趣味人と書いてオタクと読む鮎川が自分の好きな歴史や軍事やサブカルチャーなどに関してあれこれ下らない事を書き綴ります。

産経新聞の社説に疑問。

2010-12-23 22:44:04 | 日記
慶祝・天皇誕生日。今日で今上陛下は77歳、喜寿を迎えられました。おめでたいですな。

ところで、鮎川の家は読売新聞を購読契約しているのですが、それとは別に個人で産経新聞を駅のキオスクで買って読んでいます。何で産経なのかといえば、真っ当な新聞の中で一部100円と一番安いからです。
で、今日も大宮の講習会に行く前に買って電車の中で読んでいたのですが、その時にちょっと気になったのが社説「主張」の下段。「天皇陵の治定 科学だけで割り切れない」という記事です。
この間の発掘調査で被葬者が斉明天皇ではないかと話題になっている牽牛子塚古墳に関する社説なのですが、どうも気になる論理展開。
――牽牛子塚古墳が斉明天皇の陵墓ではないかという調査結果を受けて、天皇陵の治定を見直してはどうか、という論調がメディアで目立つようになってきた。現在の治定は江戸期から明治期に行われたもので、当然科学的検証は不十分である。現在治定されている天皇陵のほとんどは違うものである、という説もある。

ここまでは良いです。問題なのは次の文です。

「ではあっても、100年以上にわたって大切に守られ、陵前での祭祀も続けられてきた。こうした伝統を現今の「学術的成果」だけで否定し、安易に治定変更していいものだろうか。」(原文ママ、前後の鍵括弧は引用者)

伝統ときたか!(笑)
そりゃまあ、これまでは確かに現在治定されている「陵墓」で祭祀を行ってきたのでしょう。でもそれは、治定された当時の「学術的成果」でそこが陵墓だとされたからそこで祭祀を行ってきたのでしょうに。
何も神話時代の陵墓に治定されているものを見直せとは言いません。しかし少なくとも現時点での「学術的調査」で陵墓の可能性があるところを参考地的なものに指定するくらいはしてもいいのでは?
重要なのは「誰のための祭祀か」ということだと鮎川は思うんですけどね。何でもかんでも「伝統」にすりゃあ良いってもんじゃありませんよ。

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