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「日の名残り」カズオ・イシグロ 著 土屋政雄 訳

2017年10月13日 | 読書

[カズオ・イシグロ, 土屋 政雄]の日の名残り (ハヤカワepi文庫)

【品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。長年仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々―過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸のなかで生き続ける。失われつつある伝統的な英国を描いて世界中で大きな感動を呼んだ英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作。】

ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロさんの作品。

どこかの大統領が「Make  Ame.... Great   Again」 って言ってたけど、「Great 偉大な」とはどういう事を言うのだろう。他国の当主を”チビのロケットマン”などとバカにし罵る人が偉大な国を作る?自国の利益しか考えないビジネスマンのふるまいは偉大なの?

「美しい国へ」とか言ってた総理もいたけど、「美しい」ってどういうこと?批判をされて声を荒げたりヤジを飛ばすのが美しい国をめざす人のふるまい?二重国籍を許さず(イシグロさんは日本国籍を手放している)、在日外国人を排斥(ヘイト)する日本は美しい国?

偉大な執事とは”何”か。
偉大な執事とは、「品格」があるということ。感情によって行動しない。”自分”を前面に出さない、控えめな誠実さがある。

美しい景色には、あたたかくやさしい人がいる。

真面目で冗談が苦手なイギリス的紳士の執事(冗談や洒落で人を傷つける危険性を考えてしまう)が、アメリカ人の主人のジョークにとまどったり、うまく返せるようになりたいと努力する姿は微笑ましい。

イギリスの美しい景色と、品格について語る執事の言葉に、現代の日本を考えさせられる。

美しいとは。品格とは。偉大なとは。
イギリスの紳士淑女。偉大な執事。
武士道と騎士道。偉大な師や主人との師弟関係、主従関係。
武道、弓道、合気道、茶道、華道、書道など日本の”道”の心と通じるものがあるね。仏道とも。

今の日本にも、いくらかでも残っているだろうか。品格。
偉大な、品格のある指導者や主人。
いないなら、自分が自分の主人になるしかないんだな・・・。

品格を身につけたいものです。

今回の選挙では、政治家として、人間としての「品格」をもつ人を選びたいのだが・・・。 

出家が無理なら、執事もいいなあ、などとちょっと思ってしまった。執事って、人間ができた人(ジョークが上手ならもっといい?^^)が多いよね。
「わたしを離さないで」とは違ったよさがある。とてもいい作品でした。

 星5つ 

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2 コメント

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日本人 (都月満夫)
2017-10-13 16:12:16
外国に行くと、日本人はより日本人らしくなるのでしょうか?
どこかの国の大統領と、どこかの国の総理大臣は気が合うようですがどちらも品格がないね~^^
したっけ。
返信する
都月さん、こんばんは。 (まる)
2017-10-13 19:22:40
人間としての品格、身につけたいですね^^
イシグロさんの作品、いいですね。
返信する

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