【強大な帝国・東乎瑠にのまれていく故郷を守るため、絶望的な戦いを繰り広げた戦士団“独角”。その頭であったヴァンは奴隷に落とされ、岩塩鉱に囚われていた。ある夜、一群れの不思議な犬たちが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生する。その隙に逃げ出したヴァンは幼子を拾い、ユナと名付け、育てるが―
不思議な犬たちと出会ってから、その身に異変が起きていたヴァン。何者かに攫われたユナを追うヴァンは、謎の病の背後にいた思いがけない存在と向き合うことになる。同じ頃、移住民だけが罹ると噂される病が広がる王幡領では、医術師ホッサルが懸命に、その治療法を探していた。ヴァンとホッサル。ふたりの男たちが、愛する人々を守るため、この地に生きる人々を救うために選んだ道は―!?】
生きるとは・・・
大きなテーマの中に、医学にも、政治にも、宗教にも、すべての人々の暮らしに通じる普遍的な真理のようなものが見えてくる。初期仏教(お釈迦様の教え)の本の中で気づいた色々なことを、この本の中で再確認したような感じがした。
神を信じることの危うさ、自分の身体が”穢れる”という傲慢、宗教(神に頼ること)は弱い人間の慰めと諦め、常に変化を受け入れ前向き(可能性がある限りあきらめない)であること、心と身体の関係、”自分”とは、人間は”自分”だけで生きているのではないということ、共生しているということ、感情や衝動(本能)をコントロールすること、自分にできることだけをする(できる人ができることをする)ということ、
>・・・静かに共存できて、他者に自分たちを広げてくれる大切な宿主だ。相争ったら、その大切な宿主が無駄に消えてしまうだけだ。だから、君らには、身内だぞ、争うな、と感じさせているのかもしれない
>私たちは、ひとりひとり、違うのよ。たしかに祖先から綿々と伝わってきたものはある。でもね、ひとりひとり、まったく違うの。どの命も、これまでこの世に生まれたことのない、ただひとつの、一回きりの個性をもった命なのよ。
>人の身体は国みたいなものだって。ひとつの個体に見えるけど、実際には、びっくりするほどたくさんの小さな命がこの身体の中にいて、私たちを生かしながら、自分たちも生きていて・・・・私たちの身体が病んだり、老いたりして死んでいくと土に還ったり、他の生き物の中に入ったりして命を繋いでいく。そう思うとね、身体の死って、変化でしかないような気がしちゃうんです。まとまっていた個体が、ばらっと解散しただけ、のような
>身体も国も、ひとかたまりの何かであるような気がするが、実はそうではないのだろう。雑多な小さな命が寄り集まり、それぞれの命を生きながら、いつしか渾然一体となって、ひとつの大きな命をつないでいるだけなのだ。
正直、現実の日本社会とはまったく違う世界の話になかなか入り込めず、人間関係も理解するのが難しかった。「え~っと、誰だっけ?ど~ゆ~国だっけ??」みたいな繰り返し。
でも、辺境の国のアカファ王は日本の首相?、火馬の民は、他民族を怨んだり排斥したがる人(ヘイトスピーチする人とか)だったり日本やアメリカに侵略された国の人だったり、東乎留はアメリカだったり、ムコニアは中国や韓国だったり・・・、と思ったらけっこう分かりやすくなったよ。
>群れが危機に陥ったとき、己の命を張って群れを逃がす鹿が現れるのです。長でもなく、仔も持たぬ鹿であっても、危険にいち早く気づき、我が身を賭して群れをたすける鹿が。・・・・こういう鹿を尊び、〈鹿の王〉と呼んでいます。群れを支配する者、という意味ではなく、本当の意味で群れの存続を支える尊むべき者として。
病気と、人と、社会とどう向き合っていけばいいのか。
自分には、何ができるんだろう・・・
星5つ
でも、まるちゃんでも
「誰だっけ?どういう国だっけ?」になるんですね。
安心しました~
私も、何度も最初の人物紹介のページに立ち返り、
「この物語の世界地図をつけてくださ~い!」
と思いながら読んでいきました。
それがだいたい分かったからは一気でしたけどね。
上橋菜穂子ワールド、美しかったでしょう?
・・・で、「荒神」の宮部ワールド、
「鹿の王」の日本時代小説版でした。
また、レンタルしますね。
大作でしたね~。人物関係図と地図、ほしいですね。
しかし上橋さん、すごいですね~。
本やDVDの選び方がさすが、ふくさんらしいです。
いい作品を選んでますね~。^^
いつもいつもホントにありがとうございます。
宮部さんの本も楽しみです!
場所はまだ未定なんだけど,人数を確認したくて。
もし,他に誘う人がいれば誘ってみてください。
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