180110 車の未来は <トヨタ 「移動サービス」シフト 自動運転EV、アマゾンなどと開発>などを読みながら
トヨタはいま大きな選択のときなのかもしれませんね。いろいろなニーズに応え、新たに参入してきたAIやITがらみの企業群との競争の激化、中国・インドなどの新興国の急激な需要増大と技術革新の速さは、従来の自動車業界とは異なる状況になっているように見えます。
といって私はトヨタの車の性能や企業体質の一端しか知らない、いやほとんど知らないに等しいながら、すばらしいこれまでの業績に日本企業の誇りとも感じてきました。
が、今後もそうなるかは激烈な企業競争の中で試されることになるでしょうね。とりわけ私自身、現在車を保有していますが、いずれは車は所有から一時利用になってしまうのではと思うこともあります。車を愛車と呼んだり、とてもきれいに内装を着飾っている人には、とんでもないと言われそうですが、基本は移動手段に過ぎないものではないでしょうか。
必要なときにスマホで呼べばさっと玄関までやってきて、さっと目的地に届けてくれる自動運転車両ができればそんな社会になっていくのではと思ってしまいます。
ま、それは私が生きているうちに実現できるかはわかりませんが・・・
さて毎日朝刊記事では新たな機運を掲載しています。
<トヨタ「移動サービス」シフト 自動運転EV、アマゾンなどと開発 配送、相乗り…ニーズ把握へ>と。
豊田章雄社長がピンク色の車両を売り出したときもびっくりさせられ、その後のロボット的な色合いを見せるプリウスをはじめ様々な外観・形状の車両を登場させたことには驚きより、これは私の感覚を超えていると思ってしまいました。
いまは固執してきたハイブリッド車からEVにシフトする姿勢を示しつつ、独自の路線を見いだそうと努力しているのがわかります。
<トヨタ自動車は8日、米ネット通販大手アマゾン・コムや米ライドシェア大手ウーバー・テクノロジーズなどと連合を組み、バス型の自動運転電気自動車(EV)の開発を進めると表明した。自動運転やライドシェアなど新たな技術・サービスが次々と登場する中、車を使う側の視点を重視しないと生き残れないと判断。他業種との開発連携にかじを切る。>
たしかに<バス型の自動運転電気自動車(EV)>なるもの、完全に従来の自動車のイメージを変えるものですね。現代の多様で感性豊かな人ならこれも受け入れるのでしょうか。私には想像できませんが。
<トヨタがこの日公開したのは低床・箱形の「イー・パレット コンセプト」。運転手なしで動くライドシェアや配送、移動販売車、宿泊施設などとしての使用を想定する。>
用途は多様さを売り物にしているようですが、ニーズとしてはありうることでしょうね。私自身はライドシェアが気に入りましたが、他はこれだけでどこまでニーズに適合するかが勝負でしょうね。
いずれにしてもトヨタは、あらゆる可能性のある企業との連携で見えない未来の車両づくりを構想していくようです。もう自動車業界だけの狭い領域で車は作れなくなっているのでしょう。
企業コンセプトも豊田社長が<「私の目標はトヨタを自動車メーカーからモビリティー(移動)会社に移行すること」とも述べた。>ように、大きなチェンジを求められているのでしょう。
でもこの<モビリティー会社>ということで、未来の需要に応えられるかはいまのところ明らかではないですね。
ソフトがどのような進化をとげるか、新たな産業革命・技術革命の時を迎えているのかもしれません。
<トヨタの友山茂樹副社長は「クルマは誰にでも簡単に作れるモノではない。IT企業やベンチャーにやれることは限られている」と開発の主導権確保に自信を見せる。>ことに対し、清水憲司、釣田祐喜両記者は不安視しています。過去のIBMの例がありますね。
なお、<モビリティー(移動)サービス >については解説でつぎのように書かれています。
<車などで移動手段を提供するサービス。バス、タクシーなど公共交通機関やレンタカーが代表的だが、近年は1台の車を会員で共有するカーシェアリングや、行き先が同じ方向の人と相乗りすることで運賃が安く済むライドシェアなどが登場。必要なときにスマートフォンのアプリで車を呼び出す配車サービスは欧米や中国などを中心に普及し、米ウーバー・テクノロジーズや中国の滴滴出行(Didi)などが存在感を高めている。独ダイムラーや独フォルクスワーゲン(VW)、米フォード・モーターなどが近年、相次いで移動サービス子会社を設立。トヨタ自動車も今年4月、傘下の自動車リース、レンタカー会社を統合し新会社を設立する。>
豊田社長のいうモビリティ会社がこのような内容を意識しているのだとすると、果たして自動車メーカーとして世界に君臨できるか疑問ですが、きっともっと高い理想を掲げているのでしょう。
このEVとライドシェアの動き、そして各分野の大企業同士が入り乱れて連携している様子は<クローズアップ2018夢のクルマ、実現間近 IT企業交え開発競う 完全自動運転、今年前半試行も>にわかりやすく解説されています。
なお、余談ですが、<パナソニックアマゾンのAIで車載システム開発>の記事では、<米ネット通販アマゾン・コムの人工知能(AI)「アレクサ」を自動車に搭載し、ドライバーが声で車内のエアコンを操作したり、音楽を流したりできるシステムを開発すると発表した。>これって便利かもしれませんが、AIであればいいとも思わないと言うのは私の偏見でしょうか。そういえば私の車にも搭載されているようですが、今のところ使う気持ちにはなっていません。
PCと同じで、どんどんさまざまな機能が搭載され余分なものが満載という状態になり、使えないものでPCの速度が遅くなる、私のように理解能力にかけているものにはお邪魔虫になるおそれもあるように思うのです。
車を快適空間と位置づけて、自動車開発を邁進してきた自動車メーカー、関連ソフトメーカーも、ライドシェアのように新たなモビリティ社会構造を生み出すような創造力を発揮してもらいたいと思うのは私一人ではないように思うのですが、・・・
そろそろ一時間になりました。本日は打ち止めとします。また明日。