170429 これからの宅急便 <ヤマト運輸 最大180円値上げ・・処遇改善策>を読んで
今朝はふと目覚めるとまだ真っ暗。雨でも降っているのかと思いましたがどうやら目覚めが早すぎたようです。次に目覚めたときは明るい日差しが一杯で、今度は寝過ぎたかと思ったのですが、まだ6時前。やはり体内時計はまだしっかりしているようです。
朝は小鳥の声と、FMを聞いているのですが、当地は和泉山脈のせいで雑音があり、音楽好きの人ならいらいらするかもしれません。私は音楽の才能がないこれ幸い?で多少の雑音は気にしません。それでも最近はインターネットでNHKラジオ放送などが聴けるので、この音声にはまると、雑音の多いところではステレオが使う気にならないでしょう。
自宅には光回線を引いていないのでネット利用をしていません。スマホやネットを終日離せない人だと困るかもしれませんが、孤島にでも行ったと思えばそういう環境もいいものです。だいたいネット環境が急速に伸びたのもわずかここ20年くらいでしょうか。それまでは熱帯ジャングルに行けば、外の世界とは無縁というのが当たり前でした。そればかりか、カナダに滞在中は、まだ日本のネット環境がほとんど進んでなく、アメリカの情報量の多さやネット販売も相当普及していました。ネットで当時、カラー画面(これが当時稀少価値でした)ノートパソコンをソフト込みで50万円くらいで買った記憶があります。当時はそれでも安かったのです。もう20数年前の話しです。
で、買ったまではいいのですが、配達はあのFedExだった記憶。留守がちでしたので、たしか営業所まで受け取りに行った覚えがあります。再配達といったシステムがなかったのではと思うのです。むろん土日祝日の配達もないですね。それが当たり前と思っていましたし、それでもスピード感がありました。
で、今日の本題、クロネコヤマトの宅急便に入ります。いや、アマゾンなどを利用させてもらっているので、ヤマトさんの宅急便の配達員の方は何人かいますが、顔なじみになっています。サービスがいいですね。書籍なんかも、注文したら翌日には届くというのが当たり前になってきました(都内とかは即日ですかね)。プレミアム会員だと多くの品物が送料無料というのがあり、地方だとショッピングセンターまで行かなくてもいいので、とても便利です。
でもいつの間にか、この便利にならされて、サービスを提供している配達員の人たちを含む配送システムを担っている背後の多くの人たちの「働く環境」の悪化や負担に気づかなくなっていたかもしれません。
私はいくつか注文すると、なるべく一緒に運んでもらおうと思うのですが、どうやら受注店舗によって在庫や配送システムが異なることや、宅配便の配送システムの関係で、個別配送が結構行われているようです。すると余計に配達員の人たちの負担が増すのではないかと懸念します。
品物によっては自宅の場合、玄関脇に置いてもらっていいですよといった対応をしてもらうこともあり、このあたりの配達員の個別対応の良さは、フェデックスでは考えにくいのではないかと思います。その意味では、日本の宅配便の配送システム、サービスは、とても顧客満足度が高いと思うのです。
だからといって、再配達を何度も依頼したり、あるいは夜遅くに依頼したり、土日祝日にのみ配達指定するといったことは、配達員の生活を考えると、どうかと思うのです。
さて毎日記事<ヤマト運輸最大180円値上げ 宅配8000万個削減 処遇改善策>はようやく本格的な体質改善策に一歩踏み入れた感があります。
<ヤマトホールディングス(HD)傘下の宅配便最大手、ヤマト運輸は28日、主力サービス「宅急便」の基本運賃(個人向け)を荷物のサイズごとに140~180円値上げすると発表した。値上げ率は平均15%で、増収分をドライバーの処遇改善などに充てる。また、インターネット通販大手「アマゾン」など大手法人との契約を見直し、2017年度の取扱荷物量を8000万個減らす計画も公表。ドライバー不足と取扱荷物量の急増のダブルパンチで経営環境が厳しくなる中、抜本的な構造改革が必要と判断した。>
たしかに値上げは高齢者や障がいのある方などで買い物が容易でない方にとってはわずかであっても大きな負担になるでしょう。そのような場合の特例策はどうやら含まれていないようですが、今後配慮する取り組みを検討してもらいたいと思うのです。
他方で、顧客側の協力度に応じた値引きを用意しているのは評価できると思います。< ヤマトは、値上げと同時に集配の効率化に協力した顧客に対する新たな割引制度も導入。例えば配送先を自宅ではなく近くの宅急便センターに指定した場合には新たに50円値引きする。ヤマトは「新たな割引制度の利用を考慮すると、平均値上げ率は10%に収まる」と説明する。>それ以外にどんな割引制度を用意したのか、全体を見てみたいですね。
大手通販業者との契約の見直しも検討しているようですね。毎日の4月7日付け記事<「アマゾン即日」撤退…配送負担減へ検討>は労働強化の主要な要因の一つでしょうから、勇気のある決断かもしれませんが、当然でしょう。
たしかに注文して即日配達してもらえれば、便利この上ないですが、それほど急を要する品物がありましょうか。いいものがみつかったからといって、その日に使わないといけないものなどほとんどないでしょう。照明器具が切れたとか、いろいろ不便なことはありますが、被災した場合のことを少し考えれば、なんでもない話しではないでしょうか。サービス過剰かもしれません。あるいはもっとゆとりのある生活、考え方をしてもいいのではと思うのです。
ドライバーの負担軽減策については、<当日再配達の受付時間を従来の午後8時から午後7時に繰り上げたり、希望した日時に駅や商業施設で荷物を受け取れる「宅配ロッカー」を増設したりする。>というもので、ほんのわずかですが、まずは一歩前進でしょうけど、これにとどまらず、もっと改善策を講じてもらいたいですね。
私を含め多くの宅配便利用者にとって、配達員が長時間労働、過労で病気なるといったことは避けてもらいたいものです。ましてやサービス残業で<ヤマトの実態調査では約4万7000人に未払いの残業代があったことが判明し、計約190億円を一時金として支給することにした。>といったことはあってはならないことでしょう。
この点、<ヤマトホールディングス(HD)は28日、宅急便ドライバーの労働環境を改善するための対策を打ち出した。基本運賃の値上げや荷物の総量抑制などが柱だ>としていますが、他方で、<インターネット通信販売は増加を続けており、人手不足は深刻な状況だ。今回の対策がどこまでドライバーらの負担軽減につながるかは見通せない。>と具体的な労働条件の改善策が示されていないこともあり、毎日記事でも懸念が指摘されています。
実際、<現場のドライバーからは対策の実効性に対する疑問の声も出ている。九州のある地区で働く20歳代のヤマト運輸の男性ドライバーによると、「4月に入って勤務時間内の仕事の徹底を図るよう指示された」という。だが荷物の量は減らず、人手不足も解消されていない。サービス残業なしでは配送時間が十分に確保できず、その分急いで回らなければならなくなったという。「昼の休憩も取れず、ドライバーにとってはきつくなっただけ。膨大な荷物量に追われる状況は何も変わらない」と不満を漏らす。>とあります。
たしかに海外の配送システムに比べて、わが国の場合、クロネコヤマトの宅急便をはじめ、いずれも配送サービスが素晴らしい(むろん個別に問題はあるでしょうが)。この状態を取扱量がこれからも増大する中、維持することは容易でなく、IoTやドローンなど新たな技術革新の導入も必要でしょうが、人によるサービスがまだまだ基本でしょうから、より実効的な働き方改革を検討してもらいたいと思うのです。
他方で、ヤマトの宅急便約款や、宅急便利用約款などでは、利用サービスについて、必ずしも利用者目線に立って作られているとはいえず、昔の商法規定に則ったような記載にとどまっており、これも検討してもらいたいですね。
今日のところはここまでとします。