春の新聞広告は、予備校が目立ってましたね。「東大・京大合格者」だの「難関大学入学者」だの「国公立医学部合格者」だのがうれしそうな表情で、その予備校で自分はいかに学習し合格できたか、などということをコメントしています。苦しい浪人時代を乗り越え、希望の大学に合格できたわけですから、それは大変めでたいことです。
もともと勉強が得意な人が「難関」大学に合格するのは「当たり前」なのでは
しかし、高卒後2年間の労働者生活を経てから、某巨大大衆大学を4年半かけて卒業した私は、そういった広告を見るたび、どうにもやさぐれた気分になります。
それは、私の学力が不足していて、「有名難関ブランド大学」に入学できなかった恨みやひがみである、というわけでは決してありません( ← ほとんど説得力がない)。私が気になるのは、その予備校で学習したことにより「難関」大学に合格した、という若者のほとんどが、全国でもよく知られた有名受験高校や、少なくとも各地方を代表するような受験高校の出身であるということです。
それって、もともとお勉強が得意な人たちが、たまたま浪人しちゃったんで予備校に通い、恵まれた学習環境の中で明確な目標意識を持ち、その学力を十分に発揮した結果だってことですよね。
そんなのあたりまえじゃん。
そういう生徒ばかり集めてりゃ、そりゃ「難関」大学に合格する生徒は多いでしょうとも。
でも、それでは、その予備校の指導力が優れてる、という証明や宣伝にはならんでしょう。
明らかに「学力」が足りなかった人を伸ばせてこそ、その予備校の実力を証明できるのでは
とはいえ、少子化が進行し、大学入学人口もどんどん減っている昨今、予備校の経営もたいへんそうです。代々木ゼミナールなど、新潟校はなんとか生き残りましたが、全国の多くの予備校をたたんでしまいました。「生き残り」を考えたら、とにかく「難関」大学合格実績を強調するしかない、ということは、それなりに理解はできます。そういう実績を強調するためには、初めから学力があることがわかっている生徒を確保した方が話が早い、という意識が予備校各社にはあるんでしょう。
しかし、もし予備校各社がその実力をアピールしたいのなら、そういう「合格してあたりまえ」な学生を前面に出すのではなく、受験界では全く無名な高校や、いわゆる「偏差値」が低くて大学受験とは無縁そうな高校出身の学生の学力を伸ばし、そういう学生をおおぜい希望の大学に入れている、というような実績を宣伝すべきではないでしょうか。もしそういう宣伝がなされたならば、高校時代までは学力が不足していたために不遇を託っていた若者が、その予備校で人生をやり直してみよう、と思ったり、その予備校で勉強して一発逆転してやろう、的な野望を持ったりする若者が増えたりし、結果としてその予備校の経営も安定する、ということになるのではないか、という気がするのですが。(この項つづく)
もともと勉強が得意な人が「難関」大学に合格するのは「当たり前」なのでは
しかし、高卒後2年間の労働者生活を経てから、某巨大大衆大学を4年半かけて卒業した私は、そういった広告を見るたび、どうにもやさぐれた気分になります。
それは、私の学力が不足していて、「有名難関ブランド大学」に入学できなかった恨みやひがみである、というわけでは決してありません( ← ほとんど説得力がない)。私が気になるのは、その予備校で学習したことにより「難関」大学に合格した、という若者のほとんどが、全国でもよく知られた有名受験高校や、少なくとも各地方を代表するような受験高校の出身であるということです。
それって、もともとお勉強が得意な人たちが、たまたま浪人しちゃったんで予備校に通い、恵まれた学習環境の中で明確な目標意識を持ち、その学力を十分に発揮した結果だってことですよね。
そんなのあたりまえじゃん。
そういう生徒ばかり集めてりゃ、そりゃ「難関」大学に合格する生徒は多いでしょうとも。
でも、それでは、その予備校の指導力が優れてる、という証明や宣伝にはならんでしょう。
明らかに「学力」が足りなかった人を伸ばせてこそ、その予備校の実力を証明できるのでは
とはいえ、少子化が進行し、大学入学人口もどんどん減っている昨今、予備校の経営もたいへんそうです。代々木ゼミナールなど、新潟校はなんとか生き残りましたが、全国の多くの予備校をたたんでしまいました。「生き残り」を考えたら、とにかく「難関」大学合格実績を強調するしかない、ということは、それなりに理解はできます。そういう実績を強調するためには、初めから学力があることがわかっている生徒を確保した方が話が早い、という意識が予備校各社にはあるんでしょう。
しかし、もし予備校各社がその実力をアピールしたいのなら、そういう「合格してあたりまえ」な学生を前面に出すのではなく、受験界では全く無名な高校や、いわゆる「偏差値」が低くて大学受験とは無縁そうな高校出身の学生の学力を伸ばし、そういう学生をおおぜい希望の大学に入れている、というような実績を宣伝すべきではないでしょうか。もしそういう宣伝がなされたならば、高校時代までは学力が不足していたために不遇を託っていた若者が、その予備校で人生をやり直してみよう、と思ったり、その予備校で勉強して一発逆転してやろう、的な野望を持ったりする若者が増えたりし、結果としてその予備校の経営も安定する、ということになるのではないか、という気がするのですが。(この項つづく)