五月の連休はいつもながら毎年忙しくて、仕事で普段出来なかったことをまとめてするため、家に殆どこもりっきりで、徹夜状態でした。ヘルペスも出来て、あ~、疲れました。ちょっと体調も落ち着いてきたので、ブログ再開です。
ここ2週間位はヘンデルを久しぶりに集中して聞いてみました。というのも、一番左のCDの、「オラトリオ《メサイア》(1742年ダブリン初演版)」(LINN CKD 285(2CDs))(ジョン・バット指揮、ダンディン・コンソート&プレーヤーズ)(録音:2006年5月1日-4日)(グレーフライアーズ教会(エジンバラ))の演奏を聴いたからです(世界初録音)。兎に角、あまりにも素晴らしいの一言です。これほど感動的なメサイアを聞いたことがありません。贅肉を切り落とした、シャープで繊細かつ迫力のある演奏です。英語の解説ではっきり分からない所があるのですが、メサイアは10個くらい異なるバージョン(ten versions)があるようです。ヘンデルはメサイアを特定の声楽家(specific performers)を意識して作曲したのではなく、それぞれのプロダクション(each producion)の為に準備(prepare)されたようで、俳優さんによっては調を替えていたようです。もう数回、全曲繰り返して聴いてしまいました。聴いたときに、あまり感動しなかった真中のCD、「メサイア」(DHM:BVCD 34030~31)(アーノンクール指揮、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス)(録音:2004年12月17日-21日)(ウィーン、ムジークフェラインザールでのライブ・レコーディング)を、この演奏と比較するために、もう一度棚から引っ張り出して聞き直してみたら、その差は歴然でした。その時には気づかなかったのですが、アーノンクールの演奏があまりにも気合が入っていないというか(良く言えば自然体なのでしょうが...)、緊張感が感じられないのです。レコ芸では評価が高かったように記憶しているのですが、その理由が良く分かりません......。
最近、スペインのGLOSSAレーベルのCDが多く出ていますが、右のCD、「水上の音楽&王宮の花火の音楽(Water Music & Fireworks)」(演奏:エルヴェ・ニケ指揮、コンセール・スピリチュエル)(録音:2002年9月、メッツ・アーセナル(フランス)でのライヴ)も良かったです。
以前買っていて、あまり聴いていなかった、小澤征爾指揮、サイトウ・キネン・オーケストラの「マタイ受難曲」(PHILIPS PHCP-11110/2)(3CD)(録音:1997年9月、長野県松本文化会館)(左図)と「ミサ曲ロ短調」(PHILIPS 468 363-2)(2CD)(録音:2000年8-9月、長野県松本文化会館)(右図)を久しぶりに聞いてみました。
小澤さんのCDはあまり持っていないのですが、この2つのCDだけはバッハということもあって買っておいたのですが、あまり聴かずにCDラックに眠っておりましたzzzzz。小澤さんはバッハの宗教曲はあまり出版しておらず、彼のバッハ演奏に対する評価も勉強不足で良く知らないのですが、不思議と、何回か繰り返して聴いてみたいなあと思わないのです。いい演奏なのに何故か印象に残らないというか、小澤さんらしさが何処にあるのかが読み取れないのです(素人なので読めないのが当然かも.....)。声楽パート、器楽パートも素晴らしく、時折、力強いエネルギーが噴出する所がありますが、全体に統一感がなく、宗教的な厳粛さや緊張感に欠けるようで、何かオペラっぽく、バッハ(バロック)らしくないなぁ....とふと感じてしまいます。小澤さんの指揮で、価格も立派なこの両受難曲のCDの評価はどうなんでしょう。皆さんはどう思われますか~?。