(よしもとばなな著)
★★★★(ベアの満足度)
双子の魔女は、もうこの世にはいない。
一人は事件を起こし、もう一人が死ぬ間際に最後の魔術をかける。
事件を起こした魔女の娘に会いに行く、もう一人の魔女の息子。
二人で、母達の人生をたどっていく。
その先には...予想外の事実が。
事件で生き延び、カウンセラーになった女性の言葉が心に残る。
「人は、なんでもできるの。忘れないで。(中略)
人はなんでも可能にする。
つながりのある他の人の力を借りたりして、実現させる...」
著者の細かな描写が好き。
普段なら、情景描写ってすごい勢いで流して読んでしまうのだけど、
情景描写の感情の揺れが加わっているから、
ひとことも洩らさないように読むのが楽しい。
大事な言葉が詰まっているのになあ、
過去に流れて行ってしまうのが淋しい。
もう少し心の中に留めておきたい。