(宮木あや子著)
★★★★(ベアの満足度)
難病で余命宣告された有名ピアニスト。
何もかもを振り切るように、南風原島へ向かう。
そこで恋をする。
しかし、奇跡は続かない。
涼子を産んだ後、帰らぬ人に...。
涼子は、一也、大介と一緒に成長して行く。
一也との結婚が許されないまま、一也とも永遠の別れ。
一也を失い、精神のバランスを崩した涼子は、
不特性多数の男性と関係を持つ日々を過ごす。
その生活からどのように抜け出せるのか...
島に同世代の子どもが3人だけだから、いつも一緒。
母がいなくても、島全部で子育てしている感じ。
心を残し、ただよっている母の言葉が心を打つ。
ただ見ているだけというのも辛いだろう。
シンプルに「愛する」ことが詰まった小説でした。
生活も気持ちもシンプルに...。
前半の漁師さんとピアニストの恋は、
病気の不安を抱えながらも本当に幸せそうで、
幼なじみとの恋も本当に幸せそうで、だからこそ、その落差。
読後、じわじわ思い返し、本の世界から抜け出せなくなってしまった。
「ハンチョウ」を見ても、漁師の父にしか見えない...。