(立川談春著)
★★★★★(ベアの満足度)
読みたくて、読みたくて、待ちにまった本。
立川談志師匠のお弟子さんの修業時代の話。
談志師匠の言葉、独特な視点で、言葉をとらえ、斬って行く。
そのすべてに納得。
不思議な噺家さんが多い一門だと思ってましたが
この本で、立川流に対する私の印象ががらりと変わった。
(もちろん、好印象の方へ)
二つ目の昇進基準も明確にわかりやすい。
「わずらうほど気を使う」
師匠相手にここまで出来たら、弟子としての名人芸だ。
気を使って疲れたなどと言っている場合ではないな。
談春さんに比べたら、全然気など使えてません...。
前座時代に、なぜか魚河岸で働くことになったり、
こんな失敗したら...と思うようなエピソードに驚いたり、
でも、それを自分の力で挽回していったり、
まわりが助けてくれたり...
「嫉妬とは、己が努力、行動を起こさずに対象となる人間の弱みを
口であげつらって、自分のレベルまで下げる行為」
これを聞き、行動した談春さんの行為がスゴい。
師匠というのは、弟子の気持ちをよく見ているものだ。
師匠と弟子といえば、立川談志は小さん師匠の弟子。
この二人の弟子を通しての関わりが、「粋」
遠くにいながらでも、わかりあえている感じ。
ほろりときてしまいました。(涙)
小さん師匠の高座に間に合いたかったな。
(予約した回が、代演で見られず...)
となると、立川談志師匠もまだ見てないし、
談春さんも「情熱大陸」でちらっとしか見ていない。
同じ時代に間に合っているのだから、
そこのところは、きちんと押さえておきたいと
気づかされた1冊でした。