太った中年

日本男児たるもの

ロイター大賞

2009-02-10 | weblog

2nd Prize, Daily Life, Singles,3rd China International Press Photo ContestA Haitian woman crosses a street of Port-au-Prince, Haiti, February 1, 2006.

REUTERS/Carlos Barria

太った中年が勝手に選んだロイターアワードの大賞がこれだ。83作品中ズバ抜けて素晴らしい。しかし、クレジットを見るとDaily Lifeで2位とはこれいかに。アワード選考委員の目はどうかしているぞ。いやいや、写真の好き嫌いなんて個人の嗜好に基づくものだから、そう毒づくのは大人げない。

さて、この作品は唯一のモノクロ写真である。しかも強いホワイトバランスによってシルエットが強調され影絵のように仕上がっている。また、平衡を崩して遠近感覚を不安定にさせる効果が目を惹いた。これはフォトグラファーというよりデザイナーの視点。

そして、中央のハイチ人女性のスタイリッシュなウォーキング。スローモーションのようだ。ゆるやかに曲がった道路と右側に配置する3人を結ぶ直線との対比が歪んだ平衡に相乗して不思議な感覚になる。そして何より驚かされるのが、中央分離帯のポールの間に納まって歩く人。

これはたまたま撮ったストリートのスナップ・ショットではない。ロケーションを発見してから上記のアイデアを緻密に練り上げ、ジャストの撮影タイミングまで忍耐強く待ったのだろう。完璧だ。

これを撮影したカメラマンよ、君の写真は太った中年のブログに永遠に刻み込まれた。

世界のどこかで会ったらメシぐらいは奢るぞ、そのときは声を掛けてくれ。