記録的な暖かさに釣られ,お調子者の私は,2/17と2/18,アカエリカイツブリの換羽の状況を見に行ってきた。
冬羽のまんま。
この子も換羽の気配なし。
まだ,まだ,だった。
記録的な暖かさに釣られ,お調子者の私は,2/17と2/18,アカエリカイツブリの換羽の状況を見に行ってきた。
ハジロカイツブリは,なかなか飛ばないので,名の由来となっている「羽白」を観察する機会がなかなかない。また,図鑑も,翼の写真まで掲載していないものが多い。
今回は,たまたま「羽白」を撮影できたので,ここに残しておく。
飛翔写真は撮れなかったが,着水後,羽ばたいてくれた。
ちなみに,カンムリカイツブリも,アカエリカイツブリも,ミミカイツブリも,翼に白い部分があるので,「羽白」はハジロカイツブリだけの特徴ではない。全部,ハジロ。
また,「図説 鳥名の由来辞典」(柏書房)によると,古来,「はじろ」とは,スズガモやホオジロガモを指していたという。
さらに,ミミカイツブリの「耳」は,夏羽に出る金色の飾り羽だが,金色の飾り羽はハジロカイツブリにも出る。Wikipediaによると,英名は, Black-necked Grebe だが,米名は,Eared Grebe というらしい。直訳すると,ミミカイツブリ。
結構ややっこしい。
(2024/02/18 ハジロカイツブリ)
アフリカには,クロコサギという鳥がいる。見た目は,真っ黒なコサギなのだが,狩りの方法が変わっていて,翼を丸く広げ,体全体を傘のようにして日陰を作り,そこに集まった魚を捕食する。
魚は日陰に集まる習性があるので,その習性を利用した狩りの方法だ。
さて,今回ここに取り上げるのは,以前もこのブログに掲載した相馬港の黒くないクロサギ。
この日は天気の良い日曜日だったので,水遊びの親子連れや釣り人でにぎわっていたが,前回までと同様,結構近くに出てくれて,魚を捕食する行動も見せてくれた。
このクロサギの捕食行動を見て,冒頭のクロコサギの狩りを連想してしまった。
クロコサギのような奇抜な格好をするわけではないが,このクロサギは,魚を狙ってる間,体を平べったくし,翼をわずかに広げる。
単にバランスを取っているだけかもしれないが,水辺でこういう態勢を取った場合は,結果的に,クロコサギ同様,水面に日陰を作る。
水辺に立って,おもむろにこの態勢に入り,獲物を探す。
そして,水面を刺すようにして魚を捕らえる。
サギ仲間のササゴイも同じような捕食行動を見せるが,ササゴイは翼を広げない。
ササゴイは小さいし,足や首が短いので,無理なく水辺に立って待機できるが,下の画像のように,クロサギは足や首が長いプロポーションなので,姿勢を低くして待つには無理がある。
翼を広げるのは,日陰作りというより,姿勢を低くするためのバランス取りの可能性が高いように思う。
見ていると,
① 体を平べったくして翼を広げて狙う
② 素早くくちばしを水に突き刺す
③ 魚を捕らえる
④ 獲物の水を切って口に放り込む,
この①〜④の一連の動作を繰り返し,繰り返し,行っていた。
捕獲率は100%ではないが,人がかっぱえびせんを食べるように,小魚をどんどん口に放り込んでいた。やめられない,とまらない♪ ってやつ。
釣りの世界では,釣果100匹の釣りを一束(いっそく)釣りというらしいが,1束なんて簡単に超えそうな勢いだった。
ただ、ここには稚魚しかいなかったようなので,100匹食べてもお腹いっぱいになるかどうか不明。
狩りのタイミングも絶妙で,潮が引いてきて,浅瀬に小魚が溜まる時間帯だった。
この狩りの方法のほか,魚を追いかけて,バタバタしながら狩りをしている光景も観察できた。
このときは,あえなく失敗。
次。
このときは成功したが,使ったエネルギーと捉えた獲物の大きさを比較すると,なんとも効率か悪い。
しかも,せっかく捕らえた魚を落としてしまうし。
魚獲りの奥義を見た,と思って,感動していたのだが,人間らしい(?)ところも見せてくれて,思わずにっこり。
(2027/02/18 クロサギ)
ひとりぼっちのさみしい背中。
つい,画像と自分を重ね合わせて考える。
誰もが,ひとりぼっちで生まれ,ひとりぼっちで死ぬ。つれあいができても,子どもが生まれても,結局,自分は自分。みんな,ひとり,ひとり,孤独。
でも,ホントは,この子,ひとりぼっちじゃなかった。
冬の海岸を舞う鳥たち。
ハマシギは,ここでも越冬しているようだ。
60羽はいたと思う。
シンクロして,風が流れるように飛んでいた。
(2024/01/08 ハマシギ)
この漁港のここで越冬するミユビシギたち。
ここの半径10mくらいのポイントに毎年来ていた。
初めてここで出会ったのは何年前だろう。
ミミカイツブリは,一見,ハジロカイツブリと似ているのだが,雰囲気が全く違う。
全然違うので,見間違えることはない。
ハジロカイツブリは,庶民的でやんちゃな雰囲気なのに対し,ミミカイツブリは高貴な貴公子然とした雰囲気がある。シュッとしてる感じ。
ハジロカイツブリは,庶民だから,どこにでもいるし,集団でいることもあるが,ミミカイツブリは,高貴なヒトなので,大人数ではあまり群れない。
くちばしは,ハジロカイツブリがやや反り気味に対し,この子は真っすぐ。
お顔は,黒い頭と白い頬がくっきりと分かれている。そして,目の前方では,なんと分かれ目に赤い線が引かれている。きちっとしている感じ。
ひとつひとつ挙げると微妙な違いだが,こういう特徴が合わさっていくと,全然違うくなる。
この日は,松川浦漁港で1羽,相馬港の釣り桟橋で2羽を観察。
釣り桟橋ではほぼ真上から見たので,体の後方にあるヒレ足もよく見える。
見たことのない角度からの画像で,超面白い。何度も見たくなる画像。
(2024/01/08 ミミカイツブリ)
ハジロカイツブリはお尻のふわふわがとっても可愛い。
ここんとこがこの子のチャームポイント。
でも,この子たちのめんこさが本領を発揮するのは,30羽以上の群れ。
1羽,1羽,ペコペコ潜って,海上からすべて姿が消えたと思ったら,
今度は,1羽,1羽,ペコペコ浮上し,海上を賑やかにする。
その動きが何ともめんこ。めんこ。めんこ。
そのめんこさは,画像では,全然表現できない。実際に見なくてはだめ。
ここでは,画像を材料に想像するしかない。
あとは,撮った画像を適当に張っておこう。
次々にペコペコ潜るところ。
この日は風が強かったので,波乗り光景も楽しめた。
ひゃ~。
(2024/01/08 ハジロカイツブリ)
クロサギ3連荘となってしまった。
クロサギでここまで引っ張るつもりはなかったのだが,これだけはメモを残しておきたい。
ここんとこが好き。
どこ?
ここ。
喉の白いとこ。
(2024/01/08 クロサギ)
(前日の続き)
個体による体色の違いを確認するため,以前撮影したクロサギのデータを引っ張り出してみた。
これ ↓ は宮城県石巻沖の田代島で撮影したもの。
田代島は,近年,猫の島として有名になった島。この画像は20年前のもの。定期船の船上から撮影した。
これ ↓ は秋田県の象潟漁港で撮影したもの。19年前のもの。
次は,15年前,銚子漁港で撮影したものを連張り。
最後に先月10日に秋田県の象潟海岸で撮影したもの。
体色を比較してどうだろう。
前回の記事に掲載した個体が最も色が薄いように見える。
光の加減や撮影時の条件などにより色が違って見えている可能性もあるが,個体によって色の濃さ~薄さが違っている可能性もある。
銚子で撮影した個体が最も黒く見えるが,地域差はあるのだろうか。
白いサンゴ礁海岸に住むクロサギに白化している個体があるなら,地域による体色の変化もあって良さそうな気がする。
「えっ,これがクロサギだったの? 黒くないのに?」とは,妻の言葉。
名前の「クロサギ」に引っ張られて,この色が「黒」と見えてしまっていたが,言われてみると,なるほど「黒」ではない。
「黒で」なく灰色。しかも,薄い灰色。
以前,ほかのフィールドでもクロサギを何度か撮影しているので,保存していた画像を後で見直してみよう。個体差で色が薄かっただけかもしれない。
ところで,南西諸島などにいる南方系のクロサギには白いタイプもいるようだ。サンゴ礁海岸の白い色に適応した,という。
白いサギをクロサギというのは、「白を黒と言いくるめる」そのものだ。
白いのも灰色のもいるのに「クロ」と付けてしまったが,いづれ海岸にいるサギなので,「ウミサギ」とか「イソサギ」,「ハマサギ」などと付けられなかったのかなぁ。
2024/01/11追記
黒色型は藩政時代中期の書籍に「くろさぎ」と記載されていたという。英名は Pacific Reef Heron。Reefは「岩礁」の意。
以前見たクロサギの体色の検証は,次回行うこととする。
(2024/01/08 相馬港 クロサギ)
クロガモは,名前どおり黒いカモ。オスはくちばしがオレンジで,それ以外の全身が黒い。
木枯らしのような寂しげな鳴き声が,冬の空気によく似合う。
(2024/01/08 クロガモ)