甲斐バンドの初期には、甲斐さんはよくグレッチのギターを持ってました。あれがグレッチだと知ったのは、楽譜集の欄外のメモに使用ギターとして「グレッチEG、アンペッグEG」と書いてあったため。最初のライブの「サーカス&サーカス」にもそれを持ってる写真がありました。
その甲斐バンドのギターが出てるヤングギターがあったので、今回入手してみた次第。1978年10月号なのでここで出てくる最新アルバムの話は「誘惑」ですね。
その甲斐さんのグレッチは「ロック・ジェット」というモデルだそうです。初めて知りました。何しろ、グレッチのギターは日本のロックミュージシャンはメインで使ってる人が少ない上に、国産のコピーモデルはほとんどないので、目にする機会が極端に少なかったです。
この記事によると、このギターはチューリップの安部さんの紹介でこの3年前位に買ったそうで、ステージやレコーディングで大活躍しているのだとか。ということは、アルバム「英雄と悪漢」から「誘惑」あたりまで、甲斐さんが弾いてるのはこれなんですね。
「裏切りの街角」がヒットした直後、NHKのラジオ「若いこだま」だったかでスタジオライブがありました。その時に聞こえたサイドギターの音は、チャッ!チャッ!と凄くキレがある音で「あのギターはなんだろうな」と思ったものです。別の海外ミュージシャンが、雑誌のインタビューで「グレッチのギターはコードがよく聞こえるね。」と言ってたりしたのですが、実際グレッチのロック・ジェットの音を聞きたければ初期の甲斐バンドを聞けということですね。
ただ、甲斐さんは右利き用のギターをそのままひっくり返して弦を張り替えずに弾いてるので、普通にダウンストロークすると1弦が最初に鳴るんですね。その弾き方とグレッチのギターが相まってああいうサウンドになってたのだろうと。
なお、私の頭の中では「グレッチ=セミアコかフルアコ」ということだったのですが、このギターはソリッドらしいですね。(この記事にはその話はありませんが。)
今回の記事には写真のギターだけじゃなく、甲斐さんのアコギや大森さんのストラトも長岡さんのベースも出てます。それにしても、大森さんがストラトを使ってらっしゃったとは。世の中知らない事が多いですね。これを見ながら甲斐バンドのアルバムを聞くと、甲斐さんや大森さんがギターを弾いてる姿が浮かぶようで楽しいです。いい記事でした。