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恥を知れ、“不自由非民主党”

2015-09-09 20:56:53 | 政治・経済
 9月8日、自民党の総裁選において、安倍総理が無投票再選を果たした。
 直前まで出馬の道を模索していた野田聖子氏は結局必要な推薦人を集められず立候補を断念し、自民党内のすべての派閥が安倍総理を支持した。
 この件で、自民党には自浄能力もないことがはっきりした。彼らは、みずからの手で良識を示すことができる機会をみすみすふいにしたのである。あまりにも惨めで、あまりにも情けない政府与党の姿だった。誰がいいはじめたのか、“不自由非民主党”という言葉があり、民主党の枝野幹事長もこの言葉を使って安倍総裁の無投票再選を批判したが、まさに今の自民党にはその名がぴったりだ。彼らのオーウェル的世界では、戦争は平和であり、自由は隷属であり、民主は独裁なのだろう。

 党幹部のしめつけに屈してこの茶番劇に手を貸した自民党議員たちには、ただ一言、「恥を知れ」といいたい。

 世の中では、多くの人が安保法案に反対している。
 就職に不利になるぞなどと脅しのようなことをいわれながら、心ない罵声を浴びせられながら、それでも学生たちが声をあげている。
 そして、公明党の支持母体である創価学会のなかにも反対の声をあげる人たちがいる。学会内部で仲間はずれや嫌がらせといった目にあいながら、それでも彼らは抗議行動に参加している。
 彼らの勇気に、私たちは心を震わされずにはいられない。
 このように勇気と覚悟を示してくれる人たちがいるからこそ、安保法案に反対する多くの人たちは、絶望的な状況にもくじけることなく、何度でも立ち上がれる。苦しい状況で戦い続けている人たちがいるときに、あきらめてなどいられないと自分に言い聞かせて、また声をあげ続けることができる。

 それに対して、自民党議員らはどうか?
 なんの特別な地位ももたない市井の人々が危険を負いながらそれでも声をあげているときに、恥ずかしくないのだろうか? それとも、その負い目から、「デモに日当が支払われている」などというデマを口にするのだろうか?
 どうせいっても信じないのだろうが、デモに日当など支払われていない。私自身がその証人である。デモに参加したところで一円の得にもならない。どころか、交通費やらでむしろ損をする。それでも、抗議活動には多くの人が集まってくる。それは、そうしなければならない、そうせずにはいられないからだ。いま行動しなければ、日本が壊れてしまうと感じているからだ。自分がカネでしか動かないから他人もそうだと思いこんでいるような連中とはちがうのである。
 安保関連法案は、これまで審議されてくるなかで次々と問題点・矛盾点が出てきて、もはやボロボロである。それを、狂気じみた論理で押し通そうとする国家主義者たち、「これが通せなかったら政権の面子にかかわるから」というような理由でそれを後押しする党執行部、そして、保身のためにそれに抗議することもできないヒラ議員たち――路上で声をあげている名もなき人々と比べてみれば、彼らがいかに卑小にみえることか。
 最後に、もう一度いおう。
 自民党議員たちよ、恥を知れ。

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