もしも私たちの歩調が合わないとしたら、それはおそらく、私たちがそれぞれのドラムを聞いているからです。私たちはそれぞれに、内なる音楽に耳をかたむけ、それがどんな音楽であろうと、どれほどかすかであろうと、そのリズムと共に進みましょう。 ――H.D.ソロー
9月6日、冷泉公園で福岡県弁護士の主催による「安保法案の廃案を求める市民集会」が開催された。その模様をレポートしたい。
今回は、音声を録音したものがあるので、そのリンクを貼っておく。あらかじめことわっておくと、残念ながら動画を撮影する機材がなかったので、録音した音声に静止画をつけただけのものである。その音質もあまりよくないが、それぞれのドラムに耳を傾けてほしい。
いよいよ国会審議も大詰めをむかえるなか、今回は、私がこれまでに参加した中では確実に過去最大規模の集会・デモとなった。
主催者発表で4500人。さらにこの日は、福岡県北部の北九州市小倉区にある勝山公園でもまた別の大規模な集会が開かれており、両方の合計で参加者は8500人になるという。確実に、安保法案反対の声は拡大しているのだ。
集会には、民主・共産・社民の国会議員も登壇し、スピーチした。
画像は、社民党の吉川衆議院議員。国会審議では影が薄い感も否めないが、社民党もがんばれ!
国会議員らのアピールに続いて、福岡で粘り強い活動を続ける「福岡・戦争に反対する女たち」、先日学生団体が一同に会しての合同会見でも話題となった学生団体「Fukuoka Youth Movement」、そして「安保関連法案に反対するママの会」から、それぞれ代表者がスピーチした。
集会後は、恒例のデモ。
これだけの人数であるから、今回は3コースにわかれてのパレードとなった。
私の参加したコースでは、イラストレーターのいのうえしんぢ氏プロデュース(?)による文字通りの“パレード”。
先導のトラックに乗るのは、以前このブログでも紹介した“武装より女装”のいのうえ氏である。あの画像だけ見るとふざけているように見えるかもしれないが、これでこの人は新聞にもとりあげられたりする有名人なのだ。若い世代やこれまであまり政治に興味のなかった人でも参加しやすいようにということでさまざまな政治参加の形を工夫しておられ、今回はみずからがMCを担当し、歌あり、踊りあり、DJあり、シャボン玉も飛ばしてのにぎやかなパレードを先導したわけである。
下は、その一部。弁護士の方がスピーチをして、それに続いていのうえ氏がコーラーとなってコールをあげる場面。動画でなくて恐縮です。
https://youtu.be/JupV4FKDNTQ
トラックの側面には、「戦争で平和をつくれるの?」という横断幕。プラカードなどにも使われているこのイラストも、いのうえ氏によるものとのこと。
ちなみに、学生団体FYMのロゴマークをデザインしたのも、いのうえ氏らしい。ふざけてるように見えて、案外ちゃんと仕事してるのである。
このパレードでは、自作と思われる歌も披露されるなどさまざまな趣向が凝らされていたが、そのなかでヒューマン・マイクロフォンというのも行われた。これは、スピーチをフレーズごとに切ってコール&レスポンスの形式で全員で読み上げていくというものである。その全文を以下に掲載する。
聞く耳をもたない総理大臣が 戦争を始めようとする夏
私たちはいま 路上に出て声をあげる
日本全国あらゆる場所から 戦争はいやだと声をあげる
汗を流しながら
涙をぬぐいながら
大きな声で笑いながら
踊ってみせること
声をあげること
デモで歩くこと
伝えることはただひとつ
戦争へのカウントダウンを止めること
でも止めるだけじゃなく 私たちがほんとうに望むのは
戦争のない世界を スピードをあげてつくること
戦争は答えではなく
命はうばうものでなく
命は守るものだから
私たちは伝えたい
安保法案はいらないと
私たちは伝えたい
新しい世界は可能だと
ネット上を探せばどこかに動画があるかもしれないので、もしできたら動画でも見てほしい。この場の熱気が伝わってくるだろう。
学生団体FYMは、今回もドラムを打ち鳴らしてのパレード。「民主主義ってパンダ!」のパンダと「状況を変える」のカエルの姿もみえる。
https://youtu.be/nI7JRyul8aY
FYMは7月に結成された団体だが、それに触発されて北九州でもその姉妹組織が結成され、勝山公園での集会に参加したようだ。若者たちの行動も着実に広がっている。
私の参加したコースは、中央公園にたどりついたところで終了。しかし、その後の中央公園でもコールは続く。
スネアドラムに和太鼓、そしてアフロ美女とのコラボで、「安倍はやめろ!」、「やつらを通すな!」、「いうこと聞かせる番だ、俺たちの!」とシャウトした。下は、その音声。
https://youtu.be/WD-bGroSjsU
同じ中央公園の少し離れたところでは、このような牧歌的光景も。
もちろん彼らもデモ参加者である。おそらくは「ママの会」関係の方々と思われるが、こうしてみてくると、いかに多様な人々が参加しているかがわかる。
新しいタイプの活動にどうしても目がいってしまうが、労組関係など、旧来型のいわゆる活動家ももちろん参加していて旧来型のシュプレヒコールを挙げる伝統的なデモもあった。そうした活動が数十年にわたって脈々と続けられてきたことが、今回の反安保法案活動を下支えしていることも忘れてはならない。
また、北九州の集会には、フォークシンガーの中川五郎氏も参加し、ベトナム戦争当時の反戦歌を披露したということである。政治家や弁護士、伝統的な市民活動家から、学生たち、母親たち、ミュージシャンにイラストレーター、そして私のように完全に個人で参加した人たち――この幅広い人々が結集し、それぞれのドラムにあわせて声をあげたことに意味がある。
冒頭に引用したのは、ソローの『森の生活』の一節である。ソローといえば、米国の進める戦争(たしかメキシコ戦争だったと思う)に反対し、「私は戦争に協力するために税金を納めるつもりはない」と納税を拒否して収監されたという武勇伝を持つ人物であるが、今こそ、彼の言葉に耳を傾けるときではないだろうか。
この先の国会審議がどうなるにせよ、安倍政権の暴走が続く限り、この運動は止まらない。止まらせてはいけない。これからも、それぞれのドラムにあわせて、この歩みを続けていこう。
9月6日、冷泉公園で福岡県弁護士の主催による「安保法案の廃案を求める市民集会」が開催された。その模様をレポートしたい。
今回は、音声を録音したものがあるので、そのリンクを貼っておく。あらかじめことわっておくと、残念ながら動画を撮影する機材がなかったので、録音した音声に静止画をつけただけのものである。その音質もあまりよくないが、それぞれのドラムに耳を傾けてほしい。
いよいよ国会審議も大詰めをむかえるなか、今回は、私がこれまでに参加した中では確実に過去最大規模の集会・デモとなった。
主催者発表で4500人。さらにこの日は、福岡県北部の北九州市小倉区にある勝山公園でもまた別の大規模な集会が開かれており、両方の合計で参加者は8500人になるという。確実に、安保法案反対の声は拡大しているのだ。
集会には、民主・共産・社民の国会議員も登壇し、スピーチした。
画像は、社民党の吉川衆議院議員。国会審議では影が薄い感も否めないが、社民党もがんばれ!
国会議員らのアピールに続いて、福岡で粘り強い活動を続ける「福岡・戦争に反対する女たち」、先日学生団体が一同に会しての合同会見でも話題となった学生団体「Fukuoka Youth Movement」、そして「安保関連法案に反対するママの会」から、それぞれ代表者がスピーチした。
集会後は、恒例のデモ。
これだけの人数であるから、今回は3コースにわかれてのパレードとなった。
私の参加したコースでは、イラストレーターのいのうえしんぢ氏プロデュース(?)による文字通りの“パレード”。
先導のトラックに乗るのは、以前このブログでも紹介した“武装より女装”のいのうえ氏である。あの画像だけ見るとふざけているように見えるかもしれないが、これでこの人は新聞にもとりあげられたりする有名人なのだ。若い世代やこれまであまり政治に興味のなかった人でも参加しやすいようにということでさまざまな政治参加の形を工夫しておられ、今回はみずからがMCを担当し、歌あり、踊りあり、DJあり、シャボン玉も飛ばしてのにぎやかなパレードを先導したわけである。
下は、その一部。弁護士の方がスピーチをして、それに続いていのうえ氏がコーラーとなってコールをあげる場面。動画でなくて恐縮です。
https://youtu.be/JupV4FKDNTQ
トラックの側面には、「戦争で平和をつくれるの?」という横断幕。プラカードなどにも使われているこのイラストも、いのうえ氏によるものとのこと。
ちなみに、学生団体FYMのロゴマークをデザインしたのも、いのうえ氏らしい。ふざけてるように見えて、案外ちゃんと仕事してるのである。
このパレードでは、自作と思われる歌も披露されるなどさまざまな趣向が凝らされていたが、そのなかでヒューマン・マイクロフォンというのも行われた。これは、スピーチをフレーズごとに切ってコール&レスポンスの形式で全員で読み上げていくというものである。その全文を以下に掲載する。
聞く耳をもたない総理大臣が 戦争を始めようとする夏
私たちはいま 路上に出て声をあげる
日本全国あらゆる場所から 戦争はいやだと声をあげる
汗を流しながら
涙をぬぐいながら
大きな声で笑いながら
踊ってみせること
声をあげること
デモで歩くこと
伝えることはただひとつ
戦争へのカウントダウンを止めること
でも止めるだけじゃなく 私たちがほんとうに望むのは
戦争のない世界を スピードをあげてつくること
戦争は答えではなく
命はうばうものでなく
命は守るものだから
私たちは伝えたい
安保法案はいらないと
私たちは伝えたい
新しい世界は可能だと
ネット上を探せばどこかに動画があるかもしれないので、もしできたら動画でも見てほしい。この場の熱気が伝わってくるだろう。
学生団体FYMは、今回もドラムを打ち鳴らしてのパレード。「民主主義ってパンダ!」のパンダと「状況を変える」のカエルの姿もみえる。
https://youtu.be/nI7JRyul8aY
FYMは7月に結成された団体だが、それに触発されて北九州でもその姉妹組織が結成され、勝山公園での集会に参加したようだ。若者たちの行動も着実に広がっている。
私の参加したコースは、中央公園にたどりついたところで終了。しかし、その後の中央公園でもコールは続く。
スネアドラムに和太鼓、そしてアフロ美女とのコラボで、「安倍はやめろ!」、「やつらを通すな!」、「いうこと聞かせる番だ、俺たちの!」とシャウトした。下は、その音声。
https://youtu.be/WD-bGroSjsU
同じ中央公園の少し離れたところでは、このような牧歌的光景も。
もちろん彼らもデモ参加者である。おそらくは「ママの会」関係の方々と思われるが、こうしてみてくると、いかに多様な人々が参加しているかがわかる。
新しいタイプの活動にどうしても目がいってしまうが、労組関係など、旧来型のいわゆる活動家ももちろん参加していて旧来型のシュプレヒコールを挙げる伝統的なデモもあった。そうした活動が数十年にわたって脈々と続けられてきたことが、今回の反安保法案活動を下支えしていることも忘れてはならない。
また、北九州の集会には、フォークシンガーの中川五郎氏も参加し、ベトナム戦争当時の反戦歌を披露したということである。政治家や弁護士、伝統的な市民活動家から、学生たち、母親たち、ミュージシャンにイラストレーター、そして私のように完全に個人で参加した人たち――この幅広い人々が結集し、それぞれのドラムにあわせて声をあげたことに意味がある。
冒頭に引用したのは、ソローの『森の生活』の一節である。ソローといえば、米国の進める戦争(たしかメキシコ戦争だったと思う)に反対し、「私は戦争に協力するために税金を納めるつもりはない」と納税を拒否して収監されたという武勇伝を持つ人物であるが、今こそ、彼の言葉に耳を傾けるときではないだろうか。
この先の国会審議がどうなるにせよ、安倍政権の暴走が続く限り、この運動は止まらない。止まらせてはいけない。これからも、それぞれのドラムにあわせて、この歩みを続けていこう。