ついに、消費税増税が再延期されることとなった。
その根拠として安倍総理が主張する「世界経済はリーマンショック前と同じ状況」という見方がてんで的外れであることはもうあちこちからツッコミが入っているが、この点についてはいくら強調してもしすぎることはない。安倍総理は、増税延期せざるを得なくなったことをなんとか外的要因のせいにしようとしているが、実際にはそうではない。アベノミクスは外的要因によって失敗したのではなく、そもそもの出発地点から失敗を宿命づけられていたのである。
というのも、何人かの経済学者は、安倍政権発足当初から、きちんと経済の理論に基づいてアベノミクスの根本的な間違いを指摘しているのだ。当ブログでは、そのような経済学者の著書も何度か紹介してきた。おさらいしておくと、北岡孝義・明治大学教授は、シミュレーションの結果として、金融緩和の効果は30ヶ月ほどで失われるとしていた。また、小幡氏は、リフレ理論を徹底的に批判し、「人為的にインフレを起こすことは不可能」と主張していた。
北岡教授の論については、金融緩和の開始から30ヶ月というのは去年の夏ごろにあたるわけだが、そこからの一年間、つまり4四半期のうち2期でGDPはマイナスの数値を出した。残る2期もごくわずかなプラスで、しかも前期がマイナスだったためにかろうじてプラスになっただけとみるのが妥当だ。今年の1-3月については「うるう年効果」でプラスが上乗せされたぶんもあり、実質的にはほぼゼロという見方もある。つまり、「30ヶ月で金融緩和の効果は失われる」という北岡教授のシミュレーションは、ものの見事に的中している。
また、小幡氏の「インフレを人為的に起こすことはできない」という主張も、あたっているといっていいだろう。安倍政権が2年で達成するとしていた物価上昇率2%という数値はいまなお達成できず、延々先送りし続けているという実態がある。この一点だけとっても、アベノミクスは完全に失敗している。
そして、小幡氏のリフレ理論に対する批判も、的中している。今年日銀はマイナス金利を導入したが、「期待インフレ率を高めることで実質金利がマイナスになる」というリフレ理論がその理論どおりに機能していたなら、マイナス金利など導入する必要はなかったわけである。逆にいえば、実際にマイナス金利を導入した、せざるをえなかった、ということは、彼らの理論が間違っていたと認めたということだ。
このようにみてくればはっきりわかるとおり、アベノミクスを批判していた人たちの予測がピタリと的中しているのである。アベノミクスは、外的要因で失敗したのではなく、はじめからその理屈が間違っていた。世界経済のことなど関係なく、失敗するべくして失敗したのである。それは、まともな経済学者にははじめからわかっていたことなのだ。
実質賃金はこれまで5年連続で低下し、個人消費も低迷し続けている。いまのGDPの成長率では、安倍政権が主張する2020年度のプライマリーバランス黒字化などとうてい不可能だが、消費税増税再延期で、その目標はさらに遠のいたという見方もある。このように、アベノミクスはもう完全に崩壊状態にあるのだ。
今日の昼に投稿した記事では、消費税増税延期の理由として安倍総理が「リーマン前」といったのを「嘘の上塗り」と書いたが、一部報道などによると、安倍総理は「私はリーマンショック前と同じ状況とはいっていない」ともいったという。事実とすれば、嘘の上塗りに、さらに嘘を上塗りしていることになる。安倍総理の「できもしないことを断言する癖」や虚言癖については当ブログで何度も書いてきたが、ここまでくるともう開いた口がふさがらないとしかいいようがない。こんなにも平気で嘘をつく人が総理大臣をやっているということがおそろしい。
その根拠として安倍総理が主張する「世界経済はリーマンショック前と同じ状況」という見方がてんで的外れであることはもうあちこちからツッコミが入っているが、この点についてはいくら強調してもしすぎることはない。安倍総理は、増税延期せざるを得なくなったことをなんとか外的要因のせいにしようとしているが、実際にはそうではない。アベノミクスは外的要因によって失敗したのではなく、そもそもの出発地点から失敗を宿命づけられていたのである。
というのも、何人かの経済学者は、安倍政権発足当初から、きちんと経済の理論に基づいてアベノミクスの根本的な間違いを指摘しているのだ。当ブログでは、そのような経済学者の著書も何度か紹介してきた。おさらいしておくと、北岡孝義・明治大学教授は、シミュレーションの結果として、金融緩和の効果は30ヶ月ほどで失われるとしていた。また、小幡氏は、リフレ理論を徹底的に批判し、「人為的にインフレを起こすことは不可能」と主張していた。
北岡教授の論については、金融緩和の開始から30ヶ月というのは去年の夏ごろにあたるわけだが、そこからの一年間、つまり4四半期のうち2期でGDPはマイナスの数値を出した。残る2期もごくわずかなプラスで、しかも前期がマイナスだったためにかろうじてプラスになっただけとみるのが妥当だ。今年の1-3月については「うるう年効果」でプラスが上乗せされたぶんもあり、実質的にはほぼゼロという見方もある。つまり、「30ヶ月で金融緩和の効果は失われる」という北岡教授のシミュレーションは、ものの見事に的中している。
また、小幡氏の「インフレを人為的に起こすことはできない」という主張も、あたっているといっていいだろう。安倍政権が2年で達成するとしていた物価上昇率2%という数値はいまなお達成できず、延々先送りし続けているという実態がある。この一点だけとっても、アベノミクスは完全に失敗している。
そして、小幡氏のリフレ理論に対する批判も、的中している。今年日銀はマイナス金利を導入したが、「期待インフレ率を高めることで実質金利がマイナスになる」というリフレ理論がその理論どおりに機能していたなら、マイナス金利など導入する必要はなかったわけである。逆にいえば、実際にマイナス金利を導入した、せざるをえなかった、ということは、彼らの理論が間違っていたと認めたということだ。
このようにみてくればはっきりわかるとおり、アベノミクスを批判していた人たちの予測がピタリと的中しているのである。アベノミクスは、外的要因で失敗したのではなく、はじめからその理屈が間違っていた。世界経済のことなど関係なく、失敗するべくして失敗したのである。それは、まともな経済学者にははじめからわかっていたことなのだ。
実質賃金はこれまで5年連続で低下し、個人消費も低迷し続けている。いまのGDPの成長率では、安倍政権が主張する2020年度のプライマリーバランス黒字化などとうてい不可能だが、消費税増税再延期で、その目標はさらに遠のいたという見方もある。このように、アベノミクスはもう完全に崩壊状態にあるのだ。
今日の昼に投稿した記事では、消費税増税延期の理由として安倍総理が「リーマン前」といったのを「嘘の上塗り」と書いたが、一部報道などによると、安倍総理は「私はリーマンショック前と同じ状況とはいっていない」ともいったという。事実とすれば、嘘の上塗りに、さらに嘘を上塗りしていることになる。安倍総理の「できもしないことを断言する癖」や虚言癖については当ブログで何度も書いてきたが、ここまでくるともう開いた口がふさがらないとしかいいようがない。こんなにも平気で嘘をつく人が総理大臣をやっているということがおそろしい。