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うたは自由をめざす

2015-12-09 21:01:37 | 音楽と社会
  ゲットーから うたは自由をめざす
  戦場から うたは自由をめざす
                        ソウル・フラワー・ユニオン‘うたは自由をめざす’


 少し前の話になるが、先月14日、SEALDsが中心となって、新宿で辺野古の基地建設に反対する抗議活動が行われた。そこに、ソウル・フラワー・ユニオンのボーカル中川敬氏も登壇したという。そこで今回は、音楽ネタとして、このソウル・フラワー・ユニオンをとりあげたい。
 ソウル・フラワー・ユニオンといえば、政治的なメッセージを前面に出した歌詞と、沖縄をはじめとした民謡や、レゲエ、ソウルなど世界中のさまざまなビートをごった煮にした音楽で知られる。音楽、歌詞ともに非常にラディカルで、日本のメジャーシーンで活動するアーティストとしてはかなり異色の存在である。
 そんな彼らの歌のなかから、まずは「うたは自由をめざす」。


  ちらばって うたは自由をめざす
  混ざり合って うたは自由をめざす
  傷つけあって うたは自由をめざす
  手をとりあって うたは自由をめざす


 この一曲を聴いてもわかるのは、彼らの「ごった煮的」な音楽を構成している要素というのは、徹底して周辺的な音楽であるということだ。クラシックのような正統の音楽ではなく、かつて漂流民がやっていたような周辺的で大衆的な音楽を彼らは志向している。それはまた、権威的なものに対する反抗ということの音楽的な表現でもあり、それこそロックのルーツにあるものなのだ。
 また、彼らは、このブログで以前紹介したカーティス・メイフィールドの People Get Ready を日本語にしてカバーしたりもしている。
 
  旅立とう 思いのまま
  集まろう あの場所へ
  無意味な日々にさよなら
  誰もが同じ祝福を

  旅立とう 祈りをこめ
  集まろう あの場所へ
  涙は海へとそそぎ
  誰もが同じ星を見る

  ピープル・ゲット・レディ 汽車がくるよ
  手ぶらで乗り込もう
  心とディーゼルのハミング
  無賃乗車の 永遠(とわ)の道


 そして、いま私がもっともオススメしたいのが、「極東戦線異状なし!?」。


  のどかな光 さわやかな風
  ああ 極東戦線異状なしって感じやね
  この惑星じゃ 今も子供らが
  ああ 虫けらみたいにママと叫んで死んでいく

  この戦争をやめさせろ
  その戦争を
  あのブッシュ、シャロンみたいな類のごろつきは
  世界のあまたの歌が首根っこをおさえるぜ
  
  あの嘘と欺瞞とカネにまみれた連中は
  世界のあまたの歌が首根っこをおさえるぜ


 
 一応説明しておくと、ブッシュというのはアメリカのジョージ・ブッシュ前大統領で、シャロンというのはその当時イスラエルの首相だったアリエル・シャロンのことである。イラク戦争の張本人であるブッシュ大統領と、インティファーダを引き起こしたシャロン首相を、こうして批判しているわけである。
 これらの歌からは、彼らソウル・フラワー・ユニオンの音楽に対する信念が伝わってくる。
 彼らは、音楽の力を信じている。それが、自由を目指すものであり、世界を闇に引きずり込もうとする力に抗うものだと考えているのだろう。だから、いまの日本の絶望的な状況にこそ、彼らの歌が深くこころに響いてくる。


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