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田母神氏逮捕・起訴……極右バブルの終焉か

2016-05-05 19:43:51 | 政治
 元航空幕僚長の田母神氏が起訴された。
 当ブログが批判の対象としているのは実際に権力を行使する立場にある政府やその与党であって、正直なところ田母神閣下のことなど私にとってはどうでもいいのだが、しかし、これがひょっとすると極右バブルの崩壊になるのではないかという期待もある。そういう期待をこめて、今回はこの田母神氏の件について書きたい。

 逮捕・起訴されたとはいえ、本人は容疑を否定しており、もちろん現段階で有罪ときめつけることはできない。
 しかし一方で、選挙運動員らに現金がわたっていたというのは、本人も認めている事実である。さらに、政治資金のうち3千万円が会計責任者によって私的に流用されていたという話も出ている(今回の逮捕・起訴にいたった容疑と直接の関係はないが)が、これについても本人が認めている。これらについての田母神氏の主張は、あくまでも「違法性の認識はなかった」ということであり、運動員への現金配布や政治資金の流用自体は事実なのだ。これらの資金には、当然支持者からの献金などがふくまれているだろう。その信任を裏切ったということは、はっきり事実ということになる。

 私は、田母神氏の“活躍”を極右バブルとみなしている。
 バブルというのは、みんなの感覚が麻痺していって、紙くず同然のジャンクボンドがまるで高い価値があるかのように流通してしまう状況をいうわけだが、まさにこの十数年の極右論壇がその状況になっている。
 かつての日本のバブルでは、土地の値段がどんどんあがっていき、ふつうであればとても買い手がつかないような土地でも価格が上昇していったという。それと同じように、世間で極右的な意見がまかりとおってフィーバーした結果、田母神閣下のような無茶苦茶な暴論を展開する論者が実際の価値をはるかにはなれて評価されるようになってしまった――これがつまり、極右バブルだ。

 経済におけるバブルは、いずれ必ず崩壊する。
 それは、熱に浮かれていた人たちが紙くずが紙くずだということに気づいたときにおきる。田母神氏の台頭が極右バブルだとすれば、今回の金銭スキャンダルはバブル崩壊の引き金になるかもしれない。
 バブルが崩壊すると、ほかの銘柄も道連れのようにしてめっきが剥がれ、価値がないことがあきらかになっていく。いままで紙くずを有難がっていた人たちが目を覚ますということだ。今回の閣下のスキャンダルによって、そのような極右バブルの崩壊が起きてくれないものかと私は期待している。


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